サウジに初のポリシリコン製造工場

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サウジのPolysilicon Technology Company(PTC)は2月28日、ポリシリコン計画第一期の工場建設について、韓国の現代エンジニアリング及びKCC建設との間で、380百万ドルのLump Sum Turn Keyベースの設計・購買・建設契約を締結したと発表した。

PTCはサウジのSwicorp Joussour Company (SJC) Chemical Development Company (CDC)が出資するMutajadedah Energy Company (MEC)が50%、韓国のKCC(旧称金剛高麗化学が50%出資するJVで、Al Jubail Industrial City 2 に第一期として年産 3,350トンの太陽電池グレードのポリシリコンを建設する。

最終的には、年産能力を12,000トンに増やすとともに、インゴットやウェハーなど川下にも進出することを計画している。

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SJC CDC20081月にポリシリコン工場建設のJV設立契約をノルウェーの太陽電池用シリコンウェーハのメーカーNorSun ASと締結した。

当初、NorSun50%、SJC CDCが25%ずつ出資するが、NorSun事後にStanford University Dr. Richard Swanson が設立したSunPower Corporation JV持株の半分を譲渡する契約を結んだ。

ポリシリコンの当初の能力は年500MW相当で、2010年に商業生産開始、将来的には2000MWまで拡張する計画で、NorSun は当初の生産量の50%を10年間引き取る契約を締結した。

NorSun AS は2008年3月に、シンガポールJurong島に、太陽電池用の単結晶型シリコンウェハー工場を建設することを決めたと発表した。
既存のフィンランドの
Vantaa 工場、ノルウェーのÅrdal に次ぐ第3工場で、原料シリコンはサウジのJVから供給するとしていた。

NorSun にはノルスクヒドロが17.7%、伊藤忠商事が3.3% 出資している。
(再生可能エネルギーに投資する
Good Energies21.9%、Scatec AS 19.2%)

2008/4/11  ノルウェーのNorSun、サウジでシリコン、シンガポールでシリコンウェハーを製造

事情は明らかでないが、2010年12月にKCCがNorSun からJVの持分を買収し、50%株主となった。

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KCCは1958年に金剛スレート工業として設立された。
1974年に高麗化学を設立、1989年に建設部門を分離、その後金剛化学と改称し、2000年に高麗化学と合併し、金剛高麗化学となった。
2005年にKCCと改称した。

主な事業は、建築資材、板ガラス、自動車用安全ガラス及び塗料で、2000年9月に金剛高麗化学60%、旭硝子40%出資で、自動車ガラスのJVの韓国自動車硝子を設立している。

KCCは2004年に韓国で初めて有機シリコンモノマーの量産に成功、2008年にポリシリコン事業への進出を宣言し、2010年2月、瑞山市の大竹産業団地で独自技術で年産6,000トンの超高純度のポリシリコンの生産を開始した。

同社はポリシリコン事業を次世代主力産業として位置づけ、2012年に年産18,000トン以上に生産規模を拡大することを計画している。

韓国ではKCCのほか、OCI(旧東洋製鉄化学)が16,500トン、Woongjin5,000トンのポリシリコン工場を持っており、サムスンとLGが進出を計画している。

韓国の状況については http://www.nri.co.jp/opinion/k_insight/2010/pdf/ki20100813.pdf

 


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