ポリプロカルテル問題の終結

| コメント(0)

見落としていたが、ポリプロカルテルで最後まで残っていた案件が最高裁で決着していた。

  内容 決定
出光興産 課徴金取り消し 2010年11月26日 東京高裁 請求棄却
トクヤマ 審判取り消し 2010年12月2日  最高裁  上告不受理
課徴金取り消し 2010年12月15日 上記を受け、控訴取り下げ

この事件は、2000年にポリプロメーカーが売価の引き上げで合意、値上げを実施したとして、2000年5月30日に公取委が立入検査を行い、2001年5月30日に勧告を行ったもの。 

本件の経緯は下記の通りで、公取委の立ち入り調査から10年以上かかった。

  公取委、高裁、最高裁 住友化学 サンアロマー トクヤマ 出光興産 日本ポリケム グランドポリマー チッソ
2000/5/30 立ち入り検査              
2001/5/30 勧告 拒否→審判請求 応諾
2007/8/8 勧告拒否4社に審決 東京高裁に控訴      
2009/9/25 東京高裁 請求棄却  確定  確定  上告  確定      
2010/12/2 最高裁 上告不受理      確定        
 
(課徴金  単位:千円
2003/3/31 応諾3社に
課徴金納付命令
        845,170
審判請求
760,080
 →応諾
435,130
審判請求
2007/6/19 日本ポリプロ、チッソ審決         220,870   116,620
2008/6/20 課徴金納付命令 117,160
→審判請求
50,970
→審判請求
47,810
→審判請求
142,150
→審判請求
     
2009/5/19 課徴金納付を命ずる審決 117,160   47,790
 →控訴
       
2009/10/30 審決   50,970          
2010/2/24 審決       142,150
 →控訴
     
2010/11/26 東京高裁 請求棄却       (確定)   142,150      
2010/12/15 請求取り下げ     47,790        

課徴金の計算は、当初、2000年4月の値上げ実施予定日を計算の始期とし、9月に他の各社にカルテル離脱を通知した日を終期とするものであった。

日本ポリプロ、チッソは審判請求を行い、2007年6月に審決があったが、公取委の立入検査で値上げはなくなったとし、その前日を終期としたため、課徴金は大幅に引き下げられた。

この結果、当初の課徴金を応諾したグランドポリマー(三井化学)を除き、他社の課徴金は低いレベルとなっている。

 


目次、項目別目次

  http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


コメントする

月別 アーカイブ