韓国最大の企業グループ、Samsung Groupは2月25日、遺伝子組み換え技術などを使うバイオ医薬品事業に新規参入すると発表した。
第1弾として受託生産事業に乗り出すため、米Quintiles Transnational Corp. と合弁会社を設立する。
資本金は約3000億ウォン(266百万ドル)で、サムスン電子とグループの持株会社サムスン・エバーランドが40%ずつ出資し、サムスンC&TとQuintilesが各10%出資する。
ソウル近郊の仁川(インチョン)で本年上期に工場建設を開始、2013年上半期から生産開始する。
同日、仁川経済自由区域庁との間で、仁川・松島の経済自由区域27万平方メートルにプラント建設する趣旨のMOUを締結した。
当初の生産品目はがんや関節炎などを治療するバイオ医薬品。年間で約600キログラムを生産して大部分を海外に輸出する。
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三星グループは2010年5月11日に新事業戦略を発表した。
2010年3月に経営の第一線に復帰した李健煕会長主宰で新事業関連社長会議を開き、確定したもので、未来の新事業は、太陽電池、自動車用電池、発光ダイオード(LED)、バイオ製薬、医療機器の5つ、2020年まで23兆3000億ウォン(約1兆9000億円)を投資するというもの。(うち、バイオ医薬には2兆1000億ウォン)
2010/5/12 三星グループの新事業戦略
サムスンは医療関連事業の融合・複合化を推進する方針。
サムスン総合技術院(Samsung Advanced Institute of Technology)は米国のバイオベンチャーのMacrogenと共同で、政府の国策事業となっているゲノムプロジェクト「第3世代DNAシークエンス装備開発」の事業者に名乗りを挙げる。
第3世代が成功すれば、DNAの複製が不要になり、一人当たり約1,000米ドルで分析が可能になるという。
Samsung Medical Centerは2006年にMacrogenとの間で、clinical medicineとdiagnostic chips の開発の協力契約を締結している。
Samsung Medical Centerはまた、2010年3月に、Samsung SDS(Information Communication Technology担当)とともに、米のバイオテクノロジー企業 Life Technologies との間で、「全遺伝情報シーク エンスおよび遺伝子基盤の診断・治療グローバルサービス事業」に関するMOUを締結している。
Samsung Medical Centerは1994年に、「最善の診療、先端医学研究、優秀な医療人材の養成により、国民の健康向上に寄与」することを設立理念として設立された。
サムスン電子は2009年7月、バイオシミラー事業への参入を宣言した。
バイオ企業の梨樹アブシス、ジェネクシン、プロセル製薬と共同で行うバイオシミラー製品開発が政府の「新成長動力スマートプロジェクト」の26課題のひとつに選定された。
サムスン電子は、2009年2月にSKテレコム、サムスン生命保険、インソン情報、インフォピアなどとヘルスケアの企業連合を結成、3年間で計354億ウォンを投じ、約8,000人の慢性疾患患者に試験的に遠隔診療サービスを行っていく。
サムスン電子はまた、2010年に韓国中外製薬と提携してサムスン電子総合技術院が開発した「血液検査装置」の市販を開始している。
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Quintiles は統合バイオ・医薬サービス会社で、Clinical(臨床試験など)、Commercial(医薬品の営業・マーケティングに関連したサービス)、Consulting、Capital solutionsなどを行っている。60か国に23千人以上を抱える。
日本ではクインタイルズ・ジャパンが以下のサービスを行っている。
- 国内における医薬品開発
- 海外の臨床試験を通し日本の承認許可を加速
- 欧米はじめ世界中の国々における営業活動の支援サービス
- 柔軟性があり、高品質でコスト効果の高い能力を提供
- 効果的な医薬品営業・マーケティング計画の企画・立案
目次、項目別目次
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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