日韓連合、ブラジルのレアメタル鉱山に投資

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日本と韓国の鉄鋼メーカーが共同でブラジルとレアメタル大手に出資する。
新日鉄などが
34日に発表した。
新日鉄、
JFEスチール、韓国のPOSCO3社に加え、双日、JOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)、韓国国民年金公団も出資する。

新興国を中心に高級鋼材の需要が伸びる中、その生産に不可欠のレアメタルのニオブの世界生産量のトップシェアを占めるCBMM に日韓合計で15%出資することで、ニオブの安定調達体制を整える。

出資先は、ブラジルCompanhia Brasileira de Metalurgia e Mineracao (CBMM)
1955年設立の鉱山企業で、ブラジル南東部Minas GeraisAraxaにニオブ鉱山と精製工場を保有している。

ブラジルには世界のニオブ埋蔵量の大半があるが、
CBMMはその殆どの権益を保有している。
2010年の生産量は7.2万トン。

出資は以下の通りで、日本側の投資額は13億ドル、韓国側は6.5億ドルとなる。

日本側特別目的会社(SPC)   10%  : 新日鉄、JFEスチール、双日、JOGMECが各25%出資
韓国側SPC   5%   POSCO、韓国国民年金公団が各50%出資
合計   15%    


JOGMEC
はこれまで稼働中の鉱山への出資は出来なかったが、政府は日本側コンソーシアムへの参加が日本の資源政策上、重要と判断し、2010年にJOGMEC法を改正した。これは新制度(資産買収出資制度)の適用第1号案件となる。

 

付記

中国鉄鋼大手の宝鋼集団は2011年9月2日、中国企業5社の特別目的会社がCBMMの15%の株式を19.5億ドルで取得したと発表した。
参加したのは、宝鋼集団、鞍山鋼鉄集団、首鋼集団、太原鋼鉄の国有鉄鋼大手4社と、中国政府系の複合企業の中信集団。
高級鋼板の強度を高めるのに使うニオブについては中国は輸入に頼っている。

 

新日鉄、JFE、双日、POSCOは出資を機に、CBMMとニオブの長期引取契約を締結した。
双日はこれまで単年度契約で日本向けニオブの輸入を独占的に行ってきたが、長期契約に切り替える。

ニオブはレアメタルの一つで、高級鋼材・特殊鋼材を生産するために必要不可欠な原料。
微量の添加により鉄鋼製品の強度・靭性・耐熱性を飛躍的に向上させる特性があり、ニオブを添加した高級鋼材・特殊鋼材・スーパーアロイは、パイプライン・自動車・大規模建築・タービンに使用されるほか、スペースシャトルにも使われている航空エンジンなどの最先端機器にも使用されている。
他に、光学、電気、電子分野でも使用されている。

世界のニオブの需要は2002年~2009年の間に年率約10%で拡大しており、特に中国の輸入量は直近の4年間で倍増している。
ニオブの将来の需要は世界の粗鋼生産量の拡大以上に伸長するとみられているが、
CBMM 社との新たな関係構築により、日本および韓国向けに、ニオブの安定的な供給体制が整うことになる。

 

 


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