BPは4月20日、掘削業者のうちの2社、Transocean とCameron International に対し、原油流出事故のコストと損害賠償を負担するよう、訴訟を行った。
Transocean はDeepwater Horizon oil platformの所有者で、Haliburton がセメント作業(井戸内、または井戸と鉄管との間のセメント作業)を行い、Cameron International は故障した噴出防止装置( blow-out preventer)のメーカーである。
BPによれば、 Transoceanは井戸の掘削に当り、基準を満たさない機器を使用した。White Houseの原油流出委員会の調査では、Transoceanは原油が地表に噴出しているという致命的なサインを見逃し、井戸を閉鎖する適切な手を打てなかったとしており、BPはこれを理由にしている。
Coast Guardの報告では、Transoceanの電気設備、ガスアラーム、自動シャットダウンシステムのメンテナンスの不備、不十分な訓練が事故の原因で、Transoceanには有効な安全のマネージメントとカルチャーがないとしている。
これに対し、TransoceanはCoast Guardの報告に反発した。
Coast Guard は事故の7か月前にDeepwater Horizon をチェックし、米国と国際的な安全基準に完全に合格していると証明したと述べ、記録を確認してほしいとしている。
BPに対しては、契約ではBPはコントラクターの不注意やミスによって起こった如何なる損害、費用、損害賠償要求、ペナルティ、公害訴訟などに対して責任を持つとの条項があるとして、BPを逆に訴えた。
更に、BPが致命的な欠陥のある井戸設計、不十分な管理、重要な作業計画での重なる変更などにより、災厄の土台を作ったとしている。
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Cameron に対しては、BPは噴出防止装置のメンテナンスと改良の不備を指摘している。本来、これは井戸からの原油流出を防止するフェイルセーフ機構であるはずだとしている。
これに対し、Cameronは、作業員がこれを作動させる以前に原油とガスが装置を通ったという理由で、BPを逆訴訟した。
BPはまた、Halliburtonに対しても、不適切かつ不注意に作業を行い、これが爆発の原因になったとして、民事訴訟を行った。
これに対し、Halliburtonは、爆発は他の関係者により起こったもので、同社の行動によるものではないとして、BP、Transoceanと他のコントラクターを訴えた。
既報の通り、Anadarkoと三井石油開発はNew Orleansの連邦判事に対して、BPがパートナーシップ契約に違反しているとして、原油流出事故による損害や復旧費用の負担の責任がないことを確認するよう求めた。
泥仕合の様相を示してきたが、法律専門家は、それぞれの企業イメージの悪化を避けるため、最終的には裁判所外での解決を図るだろうとみている。
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