中国国有資源大手の中国五鉱集団の五鉱能源(Minmetals Resources)は、豪州とカナダに上場している銅鉱山開発会社のEquinox Minerals に対して買収提案を行った。全株取得を狙っており、買収提案額は63億カナダドル。
銅資源の確保が狙い。中国は世界の銅需要の40%を占めており、銅の価格が上昇する中、銅鉱山の取得に熱心である。
付記
五鉱資源は4月26日、買収計画を撤回した。世界最大の産金会社、カナダのBarrick Gold が五鉱資源を上回る買収提示額(73億2000万カナダ・ドル)を示したことを受けた措置。
五鉱資源は4月26日、買収計画を撤回した。世界最大の産金会社、カナダのBarrick Gold が五鉱資源を上回る買収提示額(73億2000万カナダ・ドル)を示したことを受けた措置。
Equinoxは現在、この10年で世界で開発された新しい銅鉱山では最大級のZambiaのLumwana 銅鉱山の運営と、サウジアラビアのJabal Sayid Copper-Goldプロジェクトの推進に集中している。
Lumwana projectは1999年に権利を取得、2008年末に操業を開始した。
2011年の銅生産量は145千トンの計画で、今後、年産200千トンに拡大する計画。
Jabal Sayid projectについては2010年に権利を取得した。
2012年に生産開始の予定で、年産60千トンの計画。
このほか、サウジでは Jabal ShaybanとJabal Baydanのgold金山、Lahuf 金山、Bari 金・銅鉱山などの開発計画がある。
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一方、Equinoxはカナダの銅鉱山開発会社、Lundin Mining Corporation に買収提案をしている。
Lundin Mining は同じくカナダの銅と亜鉛の鉱山会社 Inmet Mining と合併することで合意、承認を求める株主総会を予定していた。
しかし、本年3月7日にEquinoxがLundinに対し総額48億米ドルでの買収提案を行ったため、LundinとInmet は合併合意を取り消している。
Minmetalsは「Equinoxの株主にとってLundinを買収するよりもMinmetalsの買収提案を受ける方がメリット大きい」としている。
Minmetalsの買収提案はLundin買収の取り下げを条件としている。
これに対しMinmetalsでは、この時点での買収提案は、株主にとって価値があるLundin買収を邪魔するものだとし、買収価格はたった9%のプレミアムを乗せただけであり、ベースメタルの企業買収にしては低すぎるとしている。
(Minmetalsは発表はしたが、Equinoxに対してオファーはしていない。EquinoxはLundin買収の承認を求める株主総会を4月26日に延期した。
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五鉱集団(Minmetals)の子会社の五鉱有色金属(Minmetals Non-ferrous Metals)は2009年、豪州3位の鉱業会社で世界2位の亜鉛メーカーのOZ MineralsOZ Minerals を買収した。(一部の鉱山を除くなど、条件付きで豪州政府の承認を得た。)
2009/4/25 豪州政府、中国五鉱集団による豪州OZ Minerals 買収を条件付で承認
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各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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