素材分野(ケミカルズ、ポリマーズ)と機能商品分野における需要の回復による増収増益で、営業損益は2,265億円に達した。
また、本年度から連結子会社となった三菱レイヨン(MMAなど)の貢献が大きい。
特別損失に災害損失 225億円を計上している。
なお、当期損益が2008/3月期比でマイナスとなっているが、これは2008/3月期に三菱ウェルファーマと田辺製薬の合併に伴う持分変動益1,181億円が入っているためで、実質ベースでは2008/3月期比でも大増益である。
単位:億円 (配当:円) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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営業損益対比(億円) 一部セグメント変更 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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1) 上記営業損益のうち、ケミカルズとポリマーズの内訳は以下の通り。
2010/3 2011/3 増減 ケミカルズ
(基礎化学品)
(炭素)69
(-20)
(89)530
(313)
(217)461
(333)
(128)ポリマーズ
(ポリオレフィンほか)
(MMA、アクリル樹脂)-225
(-225)
(-)550
(182)
(368)775
(407)
(368)2) 従来、無機化学品はエレクトロニクス・マテリアルズに含まれたが、今回デザイント・゙マテリアルズに移した。
3) 三菱レイヨンが連結子会社となった。
デザインド・マテリアルズ(化学繊維)、ポリマーズ(MMA、アクリル樹脂)、ケミカルズ、その他4) 国内のケミカルズ、ポリマーズに属する連結会社(三菱レイヨンを除く)の有形固定資産の償却方法を従来の定率法から定額法に変更した。
これにより、179億円の利益となっている。5) ヘルスケアのうち、田辺三菱製薬の業績は以下の通り。
田辺三菱製薬 単位:億円 (配当:円)
売上高 営業損益 経常損益 当期損益 配当 中間 期末 2010/3 4,047 615 616 303 14 14 2011/3 4,095 766 767 377 14 14 前年比 48 151 150 75 0 0 2012/3予 4,030 630 630 355 14 14
三菱ケミカルは今回、営業損益と経常損益で信越化学に大きく差をつけた。
しかし、当期損益では信越化学の方が多い。
これは信越の連結子会社がほとんど100%子会社で、連結損益がそのまま信越の損益になるのに対し、三菱ケミカルの場合は、田辺三菱製薬など高収益の連結子会社が100%子会社でなく、少数株主の持分が多いため。
また、本年度は信越には過年度の税金の還付 107億円があった。
単位:億円
三菱ケミカル 信越化学 差 営業損益 2,265 1,492 773 経常損益 2,239 1,603 636 特別損益 -543 -210 -333 (うち震災) (-225) (-210) (-14) 税引前損益 1,696 1,393 302 税金 470 486 -17 過年度税金還付 0 -107 107 税金合計 470 380 90 税引後損益 1,226 1,013 213 少数株主持分 390 12 378 当期損益 836 1,001 -165
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