2011年3月期決算が出揃った。
化学会社(医薬を除く)の営業損益対比 (2011年3月期の営業損益の順)
三菱ケミカルHDの営業損益の金額、伸びは驚異的。
三菱レイヨンの買収の影響も大きい。
信越化学は2008/3月期、2009/3月期の営業損益に大きく未達で、三菱に抜かれた。
信越化学を除く全社で2009/3、2010/3月期を上回っているが、2008/3月期には未達の会社がほとんどである。
2008/3月期にほぼ達したのは、
旭化成、東レ、ダイセル2008/3月期を上回ったのは、
三菱ケミカル、クラレ、積水化学、日本ゼオン、日本触媒、チッソ
(住友ベークライトも上回っているが、これは退職給付会計の数理計算差異によるもの)
クラレはポバール、エバール等機能樹脂の利益が大きい。 積水化学は高機能プラスチックスが好調を維持、住宅の利益が増大した。 日本ゼオンは合成ゴムの数量増による利益増が大きい。 日本触媒は高吸水性樹脂が好調を続け、アクリル酸などの基礎化学品損益が増大した。
2008年3月期はリーマンショック以前で、中国バブルの最盛期である。このような好況の再現は、現状では考えにくい。
むしろ、今期の状況は出来過ぎかも分からない。
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医薬会社の営業損益対比
各社の増減益の主たる理由は以下の通り。
武田 | ; | 米国で特許切れのプレバシドの大幅減収、円高影響(-607億円)など |
アステラス | 円高影響(-473億円)、OSI買収による無形資産償却(-200億円) | |
エーザイ | 前期発生のAkaRx買収に伴うインプロセス研究開発費、ファイザーに対する提携費用の減少 | |
第一三共 | ランバクシーの営業損益 63億円→277億円 | |
田辺三菱 | 研究開発費減(172億円):前期に一時金100億円あり。 | |
中外 | タミフル出荷大幅減 | |
大正 | 売上総利益増 83億円、研究費減44億円 | |
大日本住友 | Sunovion Pharmaceuticalsの特許権等償却増(-242億円:105億円→347億円)、武田からの一時金100億円 |
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