世界最大の酸化チタンメーカーのDuPontは5月11日、需要増大に対応し、年産35万トンの増設計画を発表した。
1)メキシコのAltamira工場に5億ドルを投じて、年産20万トンのプラントを新設、2014年末の完成を目指す。
2)既存の下記 5工場の手直しで、3年間で年産15万トンの能力増を達成する。
ミシシッピー州DeLisle、テネシー州 New Johnsonville、デラウェア州 Edge Moor
メキシコ Altamira、台湾 観音(Kuan Yin)
(これらは全て、塩素法を採用。同社はまた、フロリダ州Starkeで鉱山を運営している。)
DuPont は2005年11月に山東省東営市の経済開発地区で当初能力年産20万トンの酸化チタンを生産することで地方政府と合意書を締結した。この計画は環境問題で難航しているが、引き続き、推進する。
2010/7/9 ChemChina、山東省で酸化チタン生産開始
これが完成すれば、55万トンの増強となる。
(DuPontの現状の能力不明、ご存じの方がおられれば教えてください)
付記
早速下記の情報をいただきました。
2007年時点で世界の需要が490万トンでその21%をDuPontが供給しているとの記述があります。
およそ100万トンの能力があると思います。
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世界の他の主要メーカーは以下の通り。
1)Huntsman Pigments:7か国に工場、能力56万トン
ICIの酸化チタン事業はポリエステル事業と合わせDuPontへ売却する合意が一旦成立したが、酸化チタン事業については紐余曲折を経た後、1999年6月末にHuntsmanに売却された。
なお、下記 Tronox 参照
2)National Titanium Dioxide(サウジ):能力77万トン
中東/北アフリカでの唯一のメーカーで、サウジのYanbu Al-Sinaiyah 工場で1991年から生産しており、2002年に3万トン増強して10万トンになった。設計能力は18万トン。
2007年2月に、Lyondellから旧Millennium Inorganic Chemicalsの酸化チタン事業を負債込みで12億ドルで買収。
Millennium Inorganic Chemicalsは能力67万トンで、世界第2位の酸化チタンメーカー。
米国に2箇所(Ashtabula, OH と Baltimore, MD)、ブラジル(Camacari)、英国(Stallingborough)、フランス2箇所(LeHavre とThann)及び豪州2箇所(Australindに2つ)の工場。2007/3/5 Lyondell、酸化チタン事業をサウジ社に売却
3)Kronos Worldwide, Inc.: 5か国6工場で能力53.2万トン、ノルウェーHaugeに鉱山
ノルウェー Fredrikstad、ドイツ Leverkusen、ドイツ Nordenham、
ベルギー Langerbrugge、カナダ Varennes、
米ルイジアナ州 Lake Charles (HuntsmanとのJVのLouisiana Pigment Co.)
4)Tronox, Inc.:46.5万トン
ミシシッピー州Hamilton 22.5万トン
オランダ Botlek 9万トン
豪州 Kwinana 15万トン(最近、4万トン増設が完了した)
豪州はTronox と南アのExxaro Resources の50/50JVのTiwest社同社は2006年にKerr-McGee からスピンオフした。(Kerr-McGeeはその後、Anadarkoが買収)
その際に、Kerr-McGeeから環境汚染の復旧費用と訴訟費用などを引き継いだが、これが主因で2009年1月にChapter11を申請した。2009年8月、HuntsmanはTronox の主要資産の買収の"stalking horse" 契約を締結したと発表した。
2009/9/5 Huntsman、再生法適用の酸化チタンメーカーの資産買収しかし、同年末にTronox はこの契約を破棄した。
2009/12/25 Huntsman による酸化チタンメーカーTronox の資産買収 破談に2011年2月14日、Tronox はChapter 11 から離脱、既存事業を再建した。
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