欧州委員会は5月18日、レジ袋 (plastic carrier bags) の使用減少についての意見聴取を発表した。
IP/11/580 Commission seeks views on reducing plastic bag use
レジ袋有料化やレジ袋税が有効か、又は、EU全体でのレジ袋禁止のような他の案がベターか、更に、生分解性の包装材を増やし、包装材として生分解性製品を義務付けるのがよいのか、に関して8月まで意見を聴取する。
EUでは毎年、一人当たり500枚のレジ袋を使用し、ほとんどが使い捨てである。2008年の生産量は340万トンで、軽量小サイズのレジ袋は多くは処理されず、海に流れ、環境を汚染する。
プラスチックの袋は分解しないため、地中海だけで2500億枚、重量で500トンのプラスチックが漂っており、間違って飲み込んだり、エサと間違って飲み込んだ海洋生物を窒息させる。
EUのいくつかのメンバー国では既に規制が行われている。
2011/1/8 イタリア、レジ袋禁止
2009/9/28 アイルランド、レジ袋税を2倍に
しかし、これまではEU全体では規制は存在していない。本年3月にEU諸国の環境大臣がレジ袋の環境への影響を議論し、EUとしての有効な対策が必要と結論付けた。
現在のEUの「包装及び包装廃棄物指令」(1994/12) における「生分解性(biodegradability)」と「堆肥化(compostability)」についても意見を求める。
指令では自然の環境で生分解する生分解性製品と、産業用堆肥化設備でのみ生分解する堆肥化製品との間に明確な区分がない。
実際には自然の環境で生分解しないのに生分解製品として広告し、結果としてゴミをまき散らすことになる。
包装での表示などを含め、包装材の「生分解性」要件を変更することについての環境、社会、経済的影響について、意見を求める。
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