仏Total、米太陽電池大手SunPower を傘下に

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仏石油大手のTotal428日、米太陽電池大手のSunPowerと広範な戦略的関係を結ぶことで合意したと発表した。
Totalは友好的TOBSunPowerの発行済み株式の最大60%を取得する。
60%の場合の投資額は138000万ドルとなる。

更に、TotalSunPowerに対し5年間にわたり10億ドルの債務保証を行う。

SunPowerは今後も、現在の経営陣が経営を行い、上場を続けるが、取締役の過半はTotalが指名する。

SunPowerTotal は開発協力契約を締結し、太陽電池の開発を行う。

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Totalは、将来のエネルギーバランスでの再生可能エネルギーの重要性を考え、太陽エネルギー分野でのメジャープレイヤーになるという戦略をたて、1983年以来、子会社のTenesol Photovoltechを通して太陽エネルギー分野での活動を広げている。

Tenesol はフランスの太陽パネルメーカーでフランスと南アに拠点を持つ。
Totalとフランス電力公社子会社(EDF ENR)の50/50JVであるが、本年4月にTotalEDFの持分を買収することで合意している。(フランス国外の事業は従来通り50/50JV

Photovoltechは多結晶シリコン太陽電池メーカーで、2001年にベルギーに本部を置く国際研究機関のIMECInteruniversity Microelectronics Centre)からスピンオフして設立された。
Total50%、フランスの電力・ガス会社GDF SUEZ50%出資する。

このほか、Total米国の有機薄膜太陽電池モジュールメーカーのKonarka Technologiesやポリシリコンメーカー AE Polysiliconに出資している。

Total2年間にわたり、いろいろな案を評価した結果、人、技術、コストのロードマップ、垂直統合戦略、下流での足がかりなどの点からSunPowerをパートナーとして選んだとしている。

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SunPowerはStanford UniversityのDr. Richard Swansonが1970年代のオイル危機に際し、代替エネルギーの必要性について考えたのに始まる。
1985年に太陽電池開発のためエネルギー省などの補助金を得、ベンチャーキャピタルからの資金とともに、SunPowerを設立した。

1993年にホンダが豪州縦断のソーラーカーレースでSunPowerの太陽電池を採用して圧勝した。
NASAがこれに注目、世界最初の太陽電池飛行機プロジェクトに採用した。

同社は北米最初の商業用太陽光発電施設(200kw)をハワイに、その後、2004年にはドイツに10.1MWのBavaria Solarpark発電所を完成させている。

米エネルギー省は4月12日、SunPowerに12億ドルの融資保証を行うと発表した。
同社が計画しているカリフォルニア州南部San Luis Obispoでの太陽光発電プロジェクトCalifornia Valley Solar Ranch向けで、年内に建設を始め、2013年のフル稼働を目指している。

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日本でも昭和シェル石油やJX日鉱日石エネルギー(新日本石油)も太陽電池事業に注力している。

2009/5/29 昭和シェル石油、太陽電池事業 1600億円投資


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