中国・北朝鮮国境で「経済地帯」着工式

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中朝国境を流れる鴨緑江に浮かぶ北朝鮮領の黄金坪島(ファングムピョンド)と威化島(ウィファド)の開発権を中国が取得し、工業団地などを建設する中朝経済協力事業の着工式が6月8日、黄金坪島で開かれた。

5月下旬の金正日総書記の訪中で協力事業の詰めの協議を行ったとされる。

北朝鮮は6日の政令で「黄金坪・威化島経済地帯の設置」を決定、両島について、中国に50年間の開発権を認めた。
政令は「伝統的な朝中友好をさらに強化し、対外関係を拡大し、発展させるため」と意義づけ、黄金坪島から開発を始めるとしている。

黄金坪島は面積約11平方キロの穀倉地帯で、丹東市と細い水路で隔てられただけでほぼ陸続き。

関係筋によると、中国が数億ドルで50年間の開発権を得て、北朝鮮の安い労働力を活用したIT関連企業や食品、服飾などの加工場を集めた工業団地、通関手続きや関税が免除される保税区を設け、中国人らのビザを免除するなど自由貿易区に近い形態になるという。
中国側は、中国企業を中心に約300社を目標に誘致する計画とされる。

日本海側の羅先(ラソン)経済特区でも、羅津(ラジン)港と中国・吉林省の琿春間の道路を改修し、中国側の投資を期待する。

羅先経済特区は北朝鮮が1991年に、中国の経済特区をモデルに咸境北道の羅津(ナジン)と先鋒(ソンボン)を合わせて指定した「羅津-先鋒自由経済貿易地帯」で、北朝鮮は2010年1月、羅先市を特別市に昇格させ、海外からの投資が円滑に進むよう羅先特区法を改正した。

201012月、北京の国有企業の商地冠群投資有限公司が北朝鮮朝鮮投資開発連合体と10項目の投資意向書を締結した。
2-3年で羅先経済特区の建設に必要なインフラを建設し、5-10年かけて北東アジア最大の核心工業特区を建設するという。
計20億ドルを投資し、火力発電所、道路、タンカー専用埠頭、石油精製工場、製鉄所を建設する。

また咸境北道茂山磁鉄鉱山など北朝鮮の地下鉱物資源を開発し、国際金融銀行も設立することで北朝鮮と合意した。

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中国は東北部の製品積み出し港として利用できる羅先への投資には積極的だが、黄金坪開発には消極的との見方もある。

中国の東北3省が利用できる港は現在、大連港・丹東港の2カ所にすぎず、羅先経済特区を対日本・東南アジア輸出入の窓口として活用するという意図が見える。
特に吉林省と黒龍江省の場合、大連・丹東港よりも羅津港に近い。

中国国務院は先ごろ「中国図們江地域の協力開発計画綱要・長吉図(長春、吉林、図們江)を開発・開放の先導区とする」を許可した。
これは中国政府がこれまでに許可した唯一の国境沿いの開発開放区の計画で、計画地域で国境沿いの開放の先行試験権を付与し、図們江地域の国境沿いの開放における模索を奨励する。

中国は琿春市を国境開放都市に指定して琿春辺境経済合作区とし、「長吉図開発・開放先導区」事業に琿春-羅津港の高速道路建設を含めた。

2010/8/18 中国地域経済の新版図 -2

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北朝鮮と韓国の国境には開城工業団地がある。


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