公取委、優越的地位の乱用で初の課徴金

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公取委は6月22日、納入業者に対し従業員を無償で派遣させたなどとして、スーパー「マルナカ」を経営する「山陽マルナカ」(岡山市)に、2億2216万円の課徴金納付と排除措置を命じた。

優越的地位の乱用は、2010年1月施行の改正独禁法で課徴金の対象となったが、命令が出たのは今回が初めて。

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改正独禁法では課徴金の適用範囲が拡大、以下が追加された。

排除型私的独占  他の事業者の事業活動を排除することによる私的独占
不当廉売、差別対価、共同の取引拒絶、再販売価格の拘束

(それぞれ同一の違反行為を繰り返した場合)
 正当な理由がないのに、競争者と共同して、ある事業者に対し供給を拒絶し、・・・
 不当に、地域又は相手方により差別的な対価をもって、・・・
 費用を著しく下回る対価で継続して供給し、他の事業者の事業活動を困難にさせる・・・
 購入する相手方に対し、当該商品の販売価格を定めてこれを維持させること、・・・
優越的地位の濫用  自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に、継続して取引する相手方に対し当該取引に係る商品又は役務以外の商品又は役務を購入させる等の行為
・押し付け販売、経済上の利益を提供させる行為(協賛金・従業員派遣)、受領拒否、不当返品等

課徴金(違反行為に係る売上額に対する率)は以下の通り。

    製造業等 小売業  卸売業 
現行 不当な取引制限
 (中小企業)
 10%
 (4%)
 3%
(1.2%)
 2%
(1%)
支配型私的独占  10%  3%  2%
追加 (ア)排除型私的独占   6%  2%  1%
(イ) 不当廉売等
  (繰り返し)
  3%  2%  1%
(ウ)優越的地位の濫用       1%

   2009/6/5   独禁法改正案成立

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公取委によると、違反行為は以下の通り。

 

付記

公取委は2011年12月13日、日本トイザらスに対し、優越的地位の濫用で排除措置命令及び課徴金納付命令を行った。
課徴金は3億6908万円。

違反行為は以下の通り。
(1) 売上不振商品等の返品
(2) 自社が割引販売を行うこととした売上不振商品等を納入した業者に対し、割引予定額に相当する額の一部又は全部を代金から減額。

 

付記

公取委は2011年12月、家電量販大手のエディオンが納入業者に無報酬で店舗業務を手伝わせたとして、同社に約40億円の課徴金納付命令と再発防止を求める排除措置命令を出す方針を固め、同社に事前通知した。

優越的地位の乱用に課徴金が認められた2010年1月施行の改正独禁法の適用は3例目で、課徴金は最高額になる。

エディオンは新規出店や店舗改装時に家電のメーカーなど納入業者に従業員の派遣を要請。「デオデオ」や「エイデン」など傘下の店舗で、無報酬または交通費だけを支給し、商品の陳列や他社製品の搬入を手伝わせた疑いが持たれている。 

公取委は2012年2月16日、エディオンに対し、40億4796万円の課徴金を納付するよう命じた。再発防止を求める排除措置命令も出した


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