Shellは6月6日、Appalachia地方でエチレンクラッカーと誘導品プラントの建設を検討していることを明らかにした。
エチレンは豊富なMarcellus Shaleガスからのエタンを原料とする。
誘導品としてはPEを第一候補としている。今後も米国北東部のPE需要は伸びるとみている。
Shellではまた、この地域での雇用拡大も狙っている。
対象となるのはWest Virginia州やPennsylvania州、Ohio州などで、今後の検討の結果で立地が決まる。
ShellはMarcellusに70万エーカーの天然ガスの権利を有しており、大部分はPennsylvania州にある。
完成時期は明らかにしていないが、「通常、構想から商業運転まで5年程度かかる」としている。
規模についても、ワールドクラスのクラッカーは一般的には年産100万トン程度だとし、規模や誘導品については今後の検討次第としている。
また、誘導品について単独でやるのか(Shellはポリオレフィン事業をBasellに譲渡した)、又はPEメーカーなどと組むのか、幅広く検討するとしているが、米国市場を狙っているSABICやブラジルのBraskemと組む可能性を指摘する筋もある。
実現すれば米国では2001年以来の新クラッカーとなる。また、シェールガスの産地でのクラッカーも初めて。
Dowも4月21日に、エチレンとプロピレンの能力増強を発表したが、Marcellusや南テキサスのEagle Ford などのシェールガスから価格面で競争力のあるエタンとプロパンを確保する目処がついたとしている。
2011/4/26 ダウ、エチレンとプロピレンの拡張計画を発表
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