豪、2012年7月から「炭素税」導入

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オーストラリア政府は7月10日、包括的な温暖化対策の詳細を発表した。年内に法案を上程する。

炭素税導入で2020年までに自動車4500万台に相当する1億6000万トンのCO2排出量削減をめざす。
一方で、鉄鋼や石炭火力発電など大きな影響を受ける産業の雇用対策などに3年で92億豪ドルを投じる。

   発表 http://www.cleanenergyfuture.gov.au/clean-energy-future/securing-a-clean-energy-future/#content01

企業の二酸化炭素(CO2)排出に費用を課す「炭素価格制度」を2012年7月1日から導入する。

炭素価格制度では排出量の多い約500社は排出する炭素1トンごとに"Permit"を購入する。
  
201271日施行で、最初の3年間は税金と同じ扱い。
  企業は排出量分の
Permitを購入する。売買や将来の年度での使用はできない。
  炭素価格は
   
2012-13年(2012/7-2013/6)はトン当たり23.00豪ドル
   
2013-14年は24.15豪ドル
   
2014-15年は25.40豪ドル 
    (注 1豪ドルは約84円) 

201571日に排出量取引制度(Emissions Trading Scheme)に移行する。
  炭素価格は市価となる。
  
2014年予算で、最初の5年間の総排出枠(Cap)を発表する。

・農業やバイオ燃料、バイオマス利用の排出は対象外

・対象ガス
  京都議定書の6種のガスのうちの4種:CO2、メタン、酸化窒素、アルミ精錬からの
PFCperfluorocarbon

・対象企業
  CO2排出25千トン以上

・雇用維持、競争力維持対策
  輸出競争力が問題となるアルミ・亜鉛精錬、製鉄などは最初の3年間、業界平均排出量の94.5%が無償
  LNG開発は50%が無償  

・炭素価格は製品価格に上乗せされるため、2012年度(2012年7月~2013年6月)の消費者物価指数が0.7%上がると試算。
  
このため、 炭素税の税収の50%以上を充て、補助金や所得税減税を実施する。
  10家族のうち9家族が減税や補助金で炭素税のコストアップをカバーされる。

 

豪州では2007年にハワード政権が排出量取引制度の導入を表明し、その後のラッド政権が法案化したが上院の否決で断念している。

 

 

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