インドのコンツェルン Aditya Birla Group(世界4位のカーボンブラックメーカー)は6月21日、米国のカーボンブラックメーカーのColumbian Chemicalsを買収する契約を締結したと発表した。
買収価額は875百万ドルで、買収によりAditya Birla Group はカーボンブラックの能力が90万トンから200万トンとなり、世界一のカーボンブラックのメーカーとなる。
Aditya Birla のインド、タイ、中国、エジプトの4か国6プラントに、Columbian Chemicals の米国、カナダ、ブラジル、ドイツ、ハンガリー、スペイン、イタリー、韓国、中国の9か国11プラントを加え、12か国に17の工場を持つこととなる。
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Aditya Birla GroupはBirla 一族が支配するコンツェルンで、金融、IT/ITアウトソーシング、アパレル、絶縁体、カーボンブラック、肥料等のAditya Birla Nuvo、アルミ産業のHindalco-Novelis、携帯電話通信のIdea Cellular、 セメント及び繊維産業のGrasim Industries などインド経済において重要な位置を占める。
Hindalco-Novelis はアルミ圧延では世界一、精錬ではアジアでトップ3社の一つで、銅の精錬では一工場では最大。
2007年にNovelis Inc.を買収した。カーボンブラックでは世界4位、ビスコースステープル繊維で世界一、アクリル繊維で世界5位、セメントで世界8位となっている。
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Columbia Chemicalの歴史はカーボンブラックが産業用に初めて利用されるようになった1860年に遡る。
1922年にいくつかの小さなメーカーが合併してColumbian Carbon Companyが設立された。
1986年に同社は鉱山会社のPhelps Dodge Corporation に買収され、以降20年余で、欧州に事業を広め、南米とアジアの事業を買収した。
なお、Phelps Dodge は2007年にFreeport-McMoRan に買収され、Freeport-McMoRan Copper & Gold Inc.と改称した。
2006年3月に同社は韓国の東洋製鉄化学(DC Chemical)とJPMorgan Chase子会社の投資会社One Equity Partners.に6億ドル(負債込み)で買収された。前者が67%、後者が33%を保有した。
DC Chemicalは2001年に設立された化学品商社で、化学品ではベンゼン、トルエン、TDIを生産している。
中国に山東DC Chamicalを設立した。
(Shandong Haihua Coal ChemicalとのJV。ピッチ、カーボンブラックオイル、ナフタレン、コールタールを生産)2005年にSodiff Advanced Materialsを買収、ポリシリコンの製造を開始した。
2009年にOCIに改称した。
DC Chemical は2009年にポリシリコンに事業を集中することを決め、Columbia Chemicalの持分をOne Equity Partners に売却した。
OCIは現在、ポリシリコン第3期のデボトルネッキング中で、能力は2011年末に42千トンとなる。
更に第4期 20千トンを建設中で、2012年末に完成するが、本年4月に第5期の建設を発表した。能力は1系列では世界最大の24千トンで、2013年末の完成時には合計能力は86千トンとなる。
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