医薬業界、医師への過剰接待禁止へ

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製薬会社225社で構成する医療用医薬品製造販売業公正取引協議会(医薬品公取協)は、製薬会社の医薬情報担当者(MR)による医師への接待にかかわる自主規制を、2012年4月から強化する。

医薬品公取協は、1984年に医療用医薬品の流通適正化推進の一環として、景品表示法に基づき公正取引委員会の認定を受けた公正競争規約の運用機関として設立された業界の自主規制のための団体。

医療用医薬品の供給・販売に際し、公正かつ自由な競争が行われるためのルールを定めた公正競争規約の周知徹底と公正競争規約に関する相談、指導等を目的としている。

接待にかかわる自主規制の見直しは2002年以来で、これまでも「華美過大な接待は好ましくない」としてきたが、過剰接待はなかなか止まなかった。

製薬会社と医師との「癒着」を厳しくチェックする傾向は、国際的な流れになっている。

医薬品公取協では以下のように述べている。

医療における医薬品の購入・選択は、品質と価格および的確な情報に基づく医療機関の適正な判断によって決められるべきであり、医療機関、医療担当者等に対する不当な金品・サービスなどの景品類提供は、この医薬品の適正な選択を歪め、過剰使用・不当使用を招くおそれがあります。

特に医薬品は生命に直接関連する商品であって、最終消費者は医薬品を選択する医師ではなく患者さんであること、その費用には公的財源が使用されていること等から、医薬品購入を誘引する手段として不当な景品類を提供する行為は、他の産業に比べて格段に大きな弊害をもたらします。

更には、薬剤価格の適正な決定を妨げ、薬価基準制度の適正な運営を阻害するおそれも生じます。

今回の改正後は以下の通りとなる。

・ゴルフ、カラオケ、観劇、スポーツ観戦、2次会 禁止
・製薬会社の自社製品にかかわる講演会後の立食パーティー
・講演会や研究会で講演やパネリスト、進行役などを慰労する飲食会
・講演会などの世話人会やアドバイザリー会議などでの飲食
・製薬会社の社内研修会での講師の慰労
1人あたり 2万円上限
・商談や打ち合わせを伴う飲食 1人あたり 5千円上限
・製品説明会などの弁当や茶菓 1人あたり 3千円上限

違反を繰り返したり、悪質な違反の場合には社名や内容の公表や、違約金や除名などの処分を検討する。

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日本製薬工業協会は6月15日、米Merck & Co., Inc.の子会社のMSDを(現行の)公正競争規約違反で「会員資格停止」措置を決定したと発表した。

昨年10月に「警告」措置を受けたにもかかわらず、同様の事案が発覚したことを重く見て、除名に次ぐ重い処分に踏み切った。
今後6カ月ごとに、MSDから体制改善に向けた活動報告を受け、当面は2年間にわたり指導を行っていく考え。

違反事項は以下の通り。

・インターネットによる血圧値、検査結果データ報告の対価として、商品券を提供
・若手糖尿病専門医を派遣した豪州の研修会で、謝金と旅費・宿泊費などを負担
・ワクチンに関するアドバイザリーパネルで役割のない参加医師に謝金を支払
・コレステロールに関するアドバイザリーパネルで役割のない参加医師に謝金を支払

これら4件の事案について、同協議会は「調査・研究委託、仕事の依頼の対価として、金銭を提供したかのような形を取っているが、実体を伴っていない」と指摘した。


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