中国海洋石油(CNOOC)は、破綻したカナダのオイルサンド開発会社OPTI Canadaを現金と債務合わせ21億米ドルで買収することで合意した。
OPTI Canadaは1999年にイスラエルの石油会社Ormat IndustriesがカナダのSuncor Energyとの50/50JVとして設立し、アルバータ州のLong Lakeでオイルサンドの試掘を始めた。
しかし、Suncorが撤退、OPTIは上場と借入で資金を集め、カナダのNexenと組んで商業生産を開始した。
現在、OPTIが権益の35%、Nexenが65%を保有し、Nexenがオペレーターとなっている。
Long Lake Project はSAGD(Steam Assisted Gravity Drainage)によるビチュメン採掘の設計能力が日量72千バレルで、Upgrade設備はOrmat Industriesが開発したOrCrude法(ガス化設備と水素化分解設備を一体化)を使用し、主として低硫黄分のPremium Sweet Crudeを日量58.5千バレル生産する予定。
(現在のビチュメン生産は 28,300バレル/日)
これに続き南に隣接するKinosis鉱区の開発を計画している。SAGDを先行させるが、ビチュメン日量14万バレルの認可を得ており、まず4万バレルでスタートする。これが成功し、採算が取れるようなら Upgrade設備を建設する。
将来はCottonwood鉱区、Leimer鉱区も手掛ける。
OPTIは資金繰りが悪化、債権者との交渉を続けていたが、話し合いがまとまり、7月13日に Albertaの裁判所で再建計画手続きを開始したばかり。
再建計画では新株を発行して債務と交換することとなっている。
7月20日のOPTI発表によると、CNOOCによる21億ドルの買収額の内訳は以下の通り。
・第二抵当の債権1,750百万ドルを1,179百万ドルで取得
・全株式を34百万ドルで取得(1株0.12ドル)
・第一抵当の債権825百万ドルを引き継ぐ
・その他の債権 37.5百万ドルを引き継ぐ
取引成立には第二抵当債権の債権者の過半の承認を要する。9月に会合を開く。株主総会の承認は不要。
カナダと中国の当局の承認とAlbertaの裁判所の承認が必要。
仮にこの取引が成立しない場合は、7月13日に開始した再建計画手続きを進めることとなる。
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中国勢の北米のエネルギーへの進出状況は以下の通り。
2005/4 | CNOOC、カナダのオイルサンド開発企業・MEGエナジーの株式の16.69%を買収 | |
2005/6 | Sinopec、カナダのアルバータ州のNorthern Lightsにおけるオイルサンド事業の権益の40% をSynenco Energy から買収 2009年に50%にアップ | |
2009/9/10 | PetroChina、カナダのオイルサンド事業に参加 (Athabasca Oil Sands) | |
2010/4/16 | Sinopec、カナダのオイルサンドに投資 (ConocoPhillipsのオイルサンド事業会社 Syncrude Canada) | |
2010/10/18 | CNOOC、テキサス州のEagle Ford Shale projectに参加 → Niobrara shaleを追加 | |
2011/2/16 | PetroChina、カナダの天然ガス権益取得 Encana Corporation から天然ガスの権益の50%を買収 |
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