JXエネルギーとSKグループ、韓国でパラキシレンと潤滑油ベースオイル製造のJV設立

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JXエネルギーと韓国のSK Innovationは8月5日、韓国でパラキシレンと潤滑油ベースオイル製造のJV設立製造に係る合弁会社を設立することで合意したと発表した。

SK Innovationは旧称 SK Energy。
2011年1月に石油事業(SK Energy)と化学事業(SK Global Chemical)を分離し、2009年設立のSK Lubricantsとともに100%子会社とした。

SK Innovationは持ち株会社で、主に研究開発(R&D)分野と資源開発(E&P)分野を担当し、リチウムイオン電池用分離膜(LiBS)事業も受け持つ。

今回の合意は、2007年1月22日に当時の新日本石油とSKが合意した戦略的業務提携に基づくもの。

新日本石油とSKはグローバル化が進展する石油産業において両社の競争力強化を図り、また、経済成長の著しいアジア地域における事業展開を通じて相互の発展を期するため、戦略的業務・資本提携について合意した。

期間は10年間(自動延長条項付き)で、検討・実施項目は以下の通り。

資本提携(取得株式数)
  新日石のSK株式購入:129万株(SKの発行済株式総数の1.0%)
  SKの新日石株式購入:1,432万株(新日石の発行済株式総数の1.0%)

業務提携
(1)上流分野
  探鉱・開発および資産買収案件における共同事業化の可能性検討
      技術委員会の設置など恒常的な評価分析・情報交換体制を構築。

(2)供給分野
  需要減少下における最適供給体制構築
     原油および石油製品の交換・融通、出荷設備・輸送機関等の相互利用・共同利用を推進
     製油所定修時の製品・半製品の相互融通も推進。

(3)石油化学分野
  アジア地域における圧倒的な競争力確立
     石油化学製品の相互融通等を推進すると共に、生産設備の共同建設も視野に入れ検討を推進。

(4)潤滑油分野
  需要増加の著しい海外潤滑油事業の拡大に向け、安定的かつ効率的な供給体制を構築
     潤滑油ベースオイルの交換および融通、潤滑油ブレンド設備の相互利用・共同利用を推進。

(5)海外事業分野
  経済成長の著しいアジア地域において、生産設備の共同建設を含む石油・エネルギー分野での共同事業化検討。

 この他、外航・精製・研究開発の各分野で、コスト削減・効率化、新たな事業機会の創出を検討。

 

(1)パラキシレン製造に係る合弁会社設立

新設備は、世界最大となる100万トン/年の生産能力による圧倒的なコスト競争力の実現が期待される。

JXエネルギーは、日本国内の製油所より今回の新設備にパラキシレン原料を供給することで、製油所の高付加価値化・石化工場化を推進し、またアジアにおけるパラキシレン外販のトップメーカーとしてのプレゼンスを更に高め る。

SK Global Chemicalにおいても、高付加価値化につながる石化製品製造装置の増設により 蔚山コンプレックスの競争力強化に資する。

1.社名 未定
2.所在地 蔚山広域市(SKエナジー社蔚山コンプレックス内)
3.設立時期 未定
4.出資比率 JXエネルギー      50%-1株
SK Global Chemical 50%+1株
5.事業内容 パラキシレンの製造
6.生産能力 約100万トン/年 (世界最大)
7.商業生産 2014年予定
8.総投資額 約1兆ウォン(約800億円)

(2)潤滑油ベースオイル製造に係る合弁会社設立

潤滑油ベースオイルは潤滑油製品の原料で、これに各種添加剤を配合することで、潤滑油製品となる。

潤滑油製品においては、より一層の省燃費・長寿命化への対応が求められており、高品質潤滑油製品の基材であるグループⅢベースオイル (最高グレードで、高粘度指数、低蒸発性、低温粘度特性に優れる)の需要拡大が見込まれている。

1.社名 未定
2.所在地 蔚山広域市(SKエナジー社蔚山コンプレックス内)
3.設立時期 未定
4.出資比率 JXエネルギー 28%
SK Lubricants 72%
5.事業内容 潤滑油(ベースオイル)の製造
6.生産能力 約135万kl/年
7.総投資額 約3,500億ウォン(約280億円)

 

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