モンゴルでは、両国の関係を「善隣友好協力パートナー関係」から「包括的パートナー関係」に格上げし、レアアースなどの確保に向けたエネルギー・資源分野の戦略的協力了解覚書も締結した。
ウズベキスタンで41億6千万ドル規模のSurgil ガス田開発プロジェクト、カザフスタンでは石炭火力発電所とLG化学の石油化学JVなど80億ドル規模の契約を結んだ。
1)モンゴル
李明博大統領は8月22日、エルベグドルジ大統領と会談し、2006年に締結した「善隣友好協力パートナー」関係を1段階高い包括的パートナー関係に引き上げることで合意した。韓蒙間の「中期協力行動計画」もまとめた。
中期行動計画には、埋蔵量世界2位の銅、4位の石炭、14位のウラン、鉄などの原料加工分野に対する韓国企業の投資を増やすための政府間協力を進めるという内容が盛り込まれた。
また、豆満江開発事業(韓国、北朝鮮、中国、ロシア、蒙古の5カ国共同の地下資源・植物・地質などの探査)のために努力し、大陸鉄道網連結のための共同研究も進めることにした。
鉱物資源の探査・開発を強化するという了解覚書も締結された。特にレアアースとウランでの協力を強化する。
2)ウズベキスタン
ウズベキスタンのアラル海に近いSurgil ガス田を開発し、ガス化学プラントを建設する総額41億6千万ドル規模の超大型プロジェクト契約が8月23日に締結された。
2006年に韓国ガス公社(KOGAS) とウズベキスタン国営ガス公社(UNG)
が了解覚書を締結し、2008年に双方が50%ずつ出資する合弁会社(UZ-KOR) を設立し交渉を続けてきた。
UZ-KOR 株主
ウズベキスタン Uzbekneftgaz(UNG) 50.0% 韓国 韓国ガス公社(KOGAS) 17.5% 湖南石油化学
(当初は子会社のロッテ大山石化)17.5% STX Energy(双竜グループ) 5.0% LG International 5.0% SK Gaz 5.0%
今回、GS Engineering & Construction、Samsung Engineering、Hyundai EngineeringとUNG、UZ-KORがガス田開発とパイプライン建設に対する契約を結んだ。韓国3社はまた、ガス設備、エタン分解設備、エチレン製造工場、付帯設備などの契約文書に署名した。
Surgil のガス埋蔵量は1300億立方メートルで、液化天然ガス換算で9600万トン、原油換算で8億3000万バレルに上る。
3)カザフスタン
李大統領は中央アジア歴訪最終日の8月25日、カザフスタンで政府間協定を含め80億ドル規模の事業権関連契約を締結した。
知識経済部とカザフスタン産業技術省は、Balkhash石炭火力発電所事業権を韓国コンソーシアムに与える内容の政府間協定を締結した。
Balkhash湖の南西部沿岸に45億ドルで66万kw規模の石炭火力発電所2基を建設し今後20~30年間にわたり運営する。
韓国側からは韓国電力 (35%) とSamsung C&T (35%) が、カザフスタンからは国営電力会社のSamruk-Energo
(25%) とカザフスタン資源大手のKazakhmys (5%) が参加する。
LG化学と国営企業のKazakhstan Petrochemical (KPI) はAtyrau石油化学団地建設と関連の合弁契約に署名した。
50/50JVを設立し、カスピ海近くのTengiz油田から出るエタンガスを活用してエチレン、ポリエチレンを製造する。
LG化学が工場建設・運営・製品販売を担当する。
KPIは国営石油会社KazMunaiGasが51%、私企業のSAT & Co が49%を保有する。
能力はエチレンが84万トン、PEが80万トン。
投資額は40億ドルで、両社が6億ドルずつ出資、残り28億ドルはプロジェクトファイナンス。2016年の生産開始を目指す。
なお、KazMunaiGasのAtyrau 製油所では石化コンプレックス計画第一期としてSinopec Engineeringが芳香族工場の建設を請け負っている。
ベンゼン 133千トン、パラキシレン 496千トンで、2013年に生産開始の予定。今回のLGの計画はAtyrauの石化コンプレックス計画の第二期になる。
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