富士フィルムは7月28日、ジェネリック医薬品大手のインドのDr. Reddy's Laboratories Ltd(DRL)と、日本市場向けのジェネリック医薬品事業で業務提携し、国内に合弁会社を設立する基本合意を締結した。
設立する合弁会社はジェネリック医薬品の開発・製造をするもので、出資比率は富士フイルムが51%、DRLが49%となる。
2014年のジェネリック医薬品の市場導入を目指す。
富士フイルムが写真フィルムで培った高度な品質管理技術や生産技術と、DRLがグローバル展開の中で蓄積してきた原薬や製剤中間体の低コスト生産技術などを融合して、高品質でコスト競争力に優れたジェネリック医薬品を開発・製造する。
日本市場のニーズを取り入れた製品設計を行なうことで、信頼性の高いジェネリック医薬品を提供し、さらなる普及を図る。
また、DRLとの提携を足がかりに、DRLのネットワークを通じて、ワールドワイドにスーパージェネリック医薬品を提供することも検討していくとしている。
ーーー
DRLは1984年設立のインドのトップクラスの大手医薬品会社で、世界でもトップ10に入るジェネリック医薬品の開発・製造・販売会社。
売上高2011年3月期で1,667百万米ドル、その31%を北米、22%を欧州、15%をロシア、32%をインドを含むその他地域で占めている。
事業構成は医薬品原薬事業、開発薬事業、後発医薬品事業、委託生産サービス事業となっており、後発医薬事業は欧米市場向けに伸びている。
2009年にGlaxoSmithKline (GSK)と提携、GSKはDRLの100以上の製品をアフリカ、中東、アジア太平洋、ラテンアメリカで販売する権利を得た。特定の市場では両社が販売する。
本年6月には、DRLはGSKから米国のペニシリン事業を買収した。テネシー州Bristolの工場と、2つのブランドを取得した。他の地域ではGSKが引き続き販売する。
同社は昨年8月に、日本の後発医薬品市場に参入するため、提携先と協議中であることを明らかにした。
当時は、東和薬品、沢井製薬、富士製薬工業などが相手ではないかと推測されていた。
ーーー
富士フイルムは、メディカル・ライフサイエンス事業を重要な成長分野として位置付け、「予防~診断~治療」の全領域をカバーする総合ヘルスケアカンパニーを目指した事業展開を進めている。
2008/2/19 富士フイルム、富山化学を買収、総合ヘルスケア企業を目指す
2010/2/22 富士フイルム 医薬品開発・販売に本格参入
2010/9/3 富士フイルム、ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングと資本提携
2011/2/28 富士フイルム、米メルクからバイオ医薬事業買収
ーーー
世界のgeneric医薬品メーカー大手は以下の通り。医薬品大手が含まれている。
シェアは日経推計 (2011/5/3)
企業 | 国 | 備考 | シェア (%) |
日本の活動 |
Teva Pharmaceutical | イスラエル | 米国 Barr Pharmaceuticals を買収 ドイツRatiopharmを買収 |
12.0 | 興和テバ 大洋薬品を買収 |
Sandoz | ドイツ | Novartis のgeneric 部門 | 6.3 | サンド ニプロと業務提携 |
Mylan | アメリカ | ドイツMerck のgeneric部門買収 インド Matrix Laboratories を買収 |
4.0 | マイラン製薬 |
Watson Pharmaceuticals | アメリカ | Andrx を買収 | 1.7 | |
Greenstone | アメリカ | Pfizerのgeneric 部門 | ファイザー | |
Apotex | カナダ | |||
Stada Arzneimittel | ドイツ | |||
Winthrop | 英国 | Sanofi-Aventis のgeneric 部門 | ||
Bayer | ドイツ | |||
Actavis Group | アイスランド | 米 Amide Pharmaceutical を買収 米 Alpharmaを買収 (AlpharmaはCoxを含む Hoechstのgeneric部門を買収) |
あすかActavis製薬 | |
Dr. Reddy's Laboratories | インド | 富士フィルムとJV設立 | ||
Ranbaxy Laboratories | インド | 第一三共が買収 | ||
Sanofi Aventis | フランス | 日医工サノフィ・アベンティス |
コメントする