8月17日午後、韓国蔚山のSKの石化コンビナートでHyundai EP(旧称 Hyundai Engineering Plastics)のポリスチレン工場で爆発事故が発生した。
12日から16日まで操業を停止して整備しており、再稼働の過程で火災が発生、爆発した。作業員8人が重軽傷を負った。
Hyundai EP は1988年にHyundai Development Co. の石化部門として設立された。
1991年にSolvay Engineered Polymers((2008年にLyondellBasellに買収された)から技術を導入した。
1994年に工場を完成、Hyundai Motorにバンパーや内装材を供給した。
2000年にHyundai Engineering Plastics としてスピンオフし、2006年に現在のHyundai EP に改称した。
現在、自動車向けのPPコンパウンドを中心に、下記の製品を扱っている。
PP Compound
PE Compound
Engineering Plastics (Nylon compounds, PBT compounds, PC/ABS and PC/PBT alloys, m-PPO alloys)
PS/EPS
PB Pipe (Basell の高品質Polybutylene-1 のパイプ)
このうち、PSとEPSは2010年4月に東部韓農(Dongbu HiTek、旧称Dongbu Hannong Chemical)から買収した。
東部韓農は蔚山のSKコンプレックスに、SM 270千トン/PS 100千トン/ EPS 50千トンを持っていたが、PS/EPSを売却した。
なお、大山のHyundai Petrochemical はLG Chemと湖南石化に買収され、現在は両社の工場となっている。
2006/4/12 韓国の石油化学-3
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蔚山では過去に多くの事故が発生している。
2010年7月に砂糖メーカーの三養社の子会社三養ジェネクスで砂糖製造反応器が爆発。
2011年2月 タンクが爆発。
同社では2004年に水素低圧タンクが爆発して3名死亡している。2011年5月と6月に三養社でサイロが爆発。
2011年2月 大韓油化のPP工場で爆発、1名死亡、2名負傷。
残留ガスを取り出した後、タンク内壁のスラッジをウォータークリーニング作業している間、原因不明の火災が発生しタンクが爆発した。
蔚山消防本部によると、これまでの発生数は2007年が38件、08年が44件、09年が31件、10年が33件。11年はすでに26件発生しており、人命被害は、2007年が1人死亡、5人負傷、09年が9人負傷、10年が1人死亡、9人負傷、11年は1人死亡、7人負傷だった。
聯合ニュースでは、大多数の石化プラントが建設されて30年を越えるなど施設が老朽化したためと、各企業が安全管理を徹底的にしなかったためと分析している。
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