丸紅は9月2日、デンマークの大手総合エネルギー会社 DONG Energy A/Sとの間で、2010年春に完工し、現在DONGが100%出資する172MWの発電容量を有する英国のGunfleet Sands洋上風力発電の権益49.9%を取得する事で、基本合意したと発表した。
権益取得対価は約2億ポンド。
日本企業として初の、商業運転中の洋上風力発電事業への本格出資参画となる。
丸紅は、洋上風力の分野で世界シェア第1位(28%)の実績を持つDONGをパートナーとする事で、洋上風力発電の開発及び操業のノウハウを吸収し、今後、同分野での欧州における事業参画を積極的に進めると同時に、北米や日本など、将来洋上風力発電事業が本格的に進められる可能性のある市場への投資を検討していく。
丸紅は、本件を加えると、日本国内を含む全世界23ヶ国においてネット保有発電容量が合計8,796MWに達し、このうち、水力発電所を含む再生可能エネルギー資産450MWを保有することになる。 最近のトピックスは以下の通り。
インドネシア・チレボン石炭火力IPPプロジェクト
660MWの新規石炭火力IPPプロジェクトをインドネシア西ジャワ州のチレボンにて建設中
蓼科小水力発電所
茅野市蓼科のビーナスライン沿線で休止中だった発電設備を2010年6月に買収
カナダRaleigh風力発電事業権益の取得
2010年12月、オンタリオ州の風力発電所78MWを保有するRaleigh Wind Power Partnershipの事業権益49%を米国Invenergy社から取得
豪州Hallett 4 風力発電事業
2010年12月、丸紅、豪州APA社、大阪ガス共同出資の132MW・豪州最大級の風力発電所が南オーストラリア州に完工
洋上風力発電用の大規模海底送電線事業(後記)
付記
丸紅は2012年3月、産業革新機構と共同で、Seajacks Internationalの事業を、米国投資ファンドのRiverstone Holdings LLCより100%買収することに合意したと発表した。
北海地域において洋上据付サービス専用の特殊船を保有し、洋上風力タービン発電機の据付ならびにオイル&ガス洋上プラットフォーム設備へのサービスを主要業務としている。
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Gunfleet Sands洋上風力発電と、その隣でDONGが建設中のLondon Array洋上風力発電の概要は以下の通り。
Gunfleet Sands | London Array | |
Owner | Dong 50.1% Marubeni 49.9% |
DONG 50% E-On 30% Masdar (Abu Dhabi) 20% |
所在地 | 英国Essex州の沖合7km | 英国Essex州の沖合20km |
設備概要 | Ⅰ 3.6MW x 30基 Ⅱ 3.6MW x 18基 計 3.6MW x 48基:172MW |
最終 1GW Phase 1 3.6MW x 175基:630MW |
稼働開始 | 2010年春 | Phase 1 2012年末 |
供給世帯数 | 英国の約125,000世帯 | 480,000世帯 |
周辺には他に3つの洋上発電がある。
Greater Gabbard Thanet Kentish Flats 能力 500MW (建設中) 300MW 90MW Owner Scottish and Southern Energy
RWE Npower RenewablesVattenfall Vattenfall
DONG Energy A/Sは2006年にデンマークのエネルギー会社6社、DONG、Elsam、ENERGI E2、Nesa, Copenhagen Energy、Frederiksberg Forsyningが合併して設立された。
デンマーク政府が74%を出資する。
6社の統合により、下記の事業を幅広く行うこととなった。
・石油と天然ガスの開発・生産
・火力発電、再生可能エネルギー(水力発電、風力発電)
水力発電はスウェーデンのIvdalsalvenに7基(JV)
風力発電は下記(単独及びJV) 一部は陸上だが、大半は洋上
・ガス及び電力の配送
・エネルギーのコンサルタント
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丸紅の洋上風力発電用の大規模海底送電線事業の概要は以下の通り。
米Googleは2010年10月、中部大西洋沖の風力発電所と本土を結ぶ大規模な海底送電網建設プロジェクト Atlantic Wind Connection を発表した。
Googleが37.5%を出資し、残りを 丸紅、スイスのプライベート・エクイティ・ファンドのGood Energies Investment Corp.、米国の規制送電線開発企業であるAtlantic Grid Development, L.L.C.が出資する。
今後中部大西洋岸4州(ニュージャージー州、デラウェア州、メリーランド州、バージニア州)沿岸に建設が予定されている洋上風力電源と同州内陸電力系統を接続するもので、将来的には約6,000 MW相当の洋上風力電源を接続する見通し。
送電線開発・建設は5つのセグメントに分けて順次推進し、約1,500 MWの送電容量を持つ第1セグメントの開発を今後2年に亘り行い、2013年中の建設着工、2016年中の操業開始を目指す。
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