東レ、次世代型電気自動車を試作

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ダイムラーとBASFは9月1日、電気自動車全般に適応可能な、両社のアイデアを結集した最新のコンセプトカー「smart forvision」を開発したと発表した。

2011/9/5 ダイムラーとBASF、先駆的な電気自動車を開発

 

東レは9月9日、次世代型の電気自動車(EV)「TEEWAVE AR1」を試作したと発表した。
試作車は2人乗りで、屋根のないスポーツカー。最高時速は147kmで、公道を走るための車両登録も可能。

東レが取り組む次世代自動車向けグリーンイノベーション戦略を体現するフラッグシップとして自動車メーカーに向けて提案する。

車体基本構造には熱硬化炭素繊維複合材料(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)製のRTM(Resin Transfer Molding)一体成型モノコックとCFRP製衝撃吸収体を採用、車体重量は846kgと、鋼板主体の従来型のEVに比べて4割以上軽量化し、同時に高い車体剛性と衝突安全性を実現した。
また、ボンネットハッチやルーフには、1分程度のハイサイクル成形が可能な熱可塑CFRP適用する。 

付記 主な適用素材・技術

ユーザー向けには高い衝突安全性(衝突エネルギーの吸収量は約2.5倍)と軽量化による低燃費、自動車産業向けには熱可塑性樹脂の活用による部品点数の削減(車体の基本構造に使われる部品点数は約1/20)、高生産性車体と塗装代替技術を提案する。

炭素繊維は価格が高く、製作費用は約3億円。
同社では「炭素繊維でどれだけの乗用車をつくれるか、極限を試すための実験」としているが、「2015年以降には普通車の価格帯で、こうした自動車の実現を目指していきたい」とする。

9月14、15日に東京国際フォーラムの展示ホールで開催される「東レ先端材料展2011」で初公開する。

「東レ先端材料展2011」では、同社のバイオマス由来繊維の製品、開発品を一斉出展し、その総合力を紹介する。
米国Gevo社と共同で試作した世界初の完全バイオマス原料由来PETのチップ、およびフィルムを初公開する。

東レは2008年に名古屋事業場にオートモーティブセンター(AMC)を開所し、炭素繊維、熱可塑性樹脂、製造プロセス、評価・分析技術等を融合した、自動車向けの最適材料の開発を続けている。

同社は2011年1月、ダイムラーAGとの間で、東レが開発した炭素繊維複合材料 (CFRP)の革新的成形技術である「ハイサイクルRTM成形技術」を活用してCFRP製自動車部品を製造・販売する合弁会社(東レ 50.1%、ダイムラー 44.9%、その他 5.0%)を設立する契約を締結した。

同社は2011年6月、オランダのTenCate Advanced Compositesとの間で、航空機用途向け熱可塑性樹脂複合材料用の炭素繊維の長期供給基本契約を締結したが、合わせて、自動車に使用される熱可塑性複合材料における市場開拓および製品の共同開発を検討していくことにも合意した。

炭素繊維については 2006/9/9 炭素繊維

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