ロシアのRosneftは本年1月、BPとの間でグローバルな戦略的提携で合意した。
しかし、BPのロシアのJVのTNK-BPの株主のAlfa
Access Renovaを構成する4人の新興財閥が、BPとRosneftとの取引がTNK-BPを除外しているのは、BPとTNK-BPの株主契約に違反するとして
反対した。
BPとRosneftの契約は5月16日に時間切れで白紙となった。
2011/5/18 BPとRosneft との提携、白紙に
RosneftはBPに代わる提携先を探していたが、8月30日にRosneftとExxonMobilは両社が北極海と黒海の開発、技術協力、米国その他での共同事業の実施で合意したと発表した。
両社はStrategic Cooperation Agreementを締結したが、ロシア、米国、その他世界中での石油資源の共同探査・開発と探査開発技術の共有化をうたっている。両社はPutin首相が同席する中で調印した。
(1) ロシア
Rosneft が66.7%、ExxonMobilが33.3%出資するJVが北極海と黒海で事業を行う。投資額は32億ドルと見込まれる。
① ロシアの北極海大陸棚にある3つの鉱区(East Prinovozemelskiy
License Block
1,2,3)の開発
2010年にRosneftが権利を取得したもので、South
Kara Seaの深さ
50~150mの126,000km2にわたるもの。
②黒海のTuapse Blockの開発
深さ 1,000~2,000m の11,200 km2の地域
両社は2011年1月にこの開発で合意している。
2011/2/5 Rosneft、ExxonMobilとも海底油田開発で合意
(2) その他の探査・開発
Rosneft はExxonMobilの多くの開発計画に参加する権利を得た。
これには、メキシコ湾の深海油田、テキサス州のタイトオイル、その他海外での開発を含む。両社はまた、西シベリアのタイトオイル開発の検討を共同で行うことでも合意した。
Tight Oil は孔隙率および浸透率の低い油層からの原油で、Shale gasと同じ手法で採掘する。
米国北部からカナダにかけて分布するBakken Shaleが代表的。
(3) Arctic Research and Design Center for Offshore Developments
深海油田開発のための研究センターをSt. Petersburgに設立する。
両社の研究員が参加し、両社の技術を持ち寄り、北極海の共同事業と他のRosneft の開発事業のための新技術を開発する。
(4) その他
技術及び経営のスタッフの交換計画
ExxonMobil は、今回の合意はサハリン1プロジェクトでの15年にわたる関係がもとになっているとしている。
サハリン1プロジェクト
事業主体 ・Exxon Neftegas
(ExxonMobil子会社、オペレーター、30%)
・サハリン石油ガス開発(株)(通称:SODECO)
(石油公団・伊藤忠・丸紅等 出資30%)
・ONGC Videsh(インド、20%)
・Sakhalinmorneftegaz-Shelf(ロシア、11.5%)
・Rosneft-Astra(ロシア 8.5%)投 資 額 約120億ドル以上 開発鉱区 オドプト、チャイヴォ、アルクトン・ダギ 推定可採
埋 蔵 量①石油 約23億バレル
②天然ガス 約4,850億立方メートル
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