SABICは9月8日、欧州の自動車用技術開発会社 Inpro に出資することで合意した。当局の承認を得て年内(10月にも)実施する。
INPROの社名はInnovation company for advanced production systems in the automotive industryから取られた。
1983年の設立で、現在の株主は、自動車メーカーのDaimler とVolkswagen、電機・電子のSiemens、鉄鋼のThyssenKrupp とBerlin特別市で、設立当初の株主にはBMW とBerlin Technical Universityがいた。
また、BASF Coatings が2001年から2010年に参加しており、機械メーカーで子会社にロボット専業メーカーのKukaを持つIWKA groupもかつては株主だった。
事業目的は生産技術のイノベーションを推進し、研究開発の結果を産業に移すことで、プロジェクトに参加するパートナーは結果を自社の生産に活用できる。
主なプロジェクトは以下の4分野:
• Process simulation
• Production systems and information processes
• Manufacturing and automation technology
• Layering and fastening technologies
最近のプロジェクトでは、電気自動車やバッテリー、燃料電池などが中心となっている。
同社のホームページは:http://www.inpro.de/index_en.php
SABICの参加について株主のDaimlerは、特に樹脂製窓と軽量化(特にカーボンファイバー関係)への貢献を期待していると述べた。カーボンファイバー複合樹脂のシミュレーションソフトウェアの欠如が自動車でのもっと幅広い利用を妨げているとしている。
ThyssenKruppではプラスチックとメタルのハイブリッドの研究開発に期待を示した。
SABIC側は、同社が従来のポリオレフィンなどから、アクリル樹脂、カーボンファイバー、エラストマーなどに活動の幅を広げていると述べた。
SABICとCelaneseは2010年4月、サウジのJubail Industrial City のNational Methanol Co. (IBN SINA)で年産5万トンのポリアセタール(polyoxymethylene:POM)を建設する契約を締結したと発表した。
2010/4/7 SABIC、ポリアセタールに進出
三菱レイヨンは2011年5月、SABICとの間でMMAモノマーとアクリル樹脂成形材料の合弁会社設立を目的とする契約を締結することで合意したと発表した。
2009/8/7 三菱レイヨン、サウジでMMA合弁会社
SABICは2011年6月、イタリアのMontefibreとの間でカーボンファイバーの技術導入契約を締結したと発表した。
2011/6/17 SABIC、カーボンファイバーの技術導入
旭化成は2011年4月、サウジにおけるアクリロニトリル及び青化ソーダの共同事業化の詳細検討を行うため、SABIC及び三菱商事と、合弁会社Saudi Japanese Acrylonitrile Company(仮称)の設立を決定したと発表した。
2011/4/28 旭化成、サウジでのアクリロニトリル事業化のため合弁会社設立
SABICでは、アクリロニトリルと青化ソーダは、自動車、建材、水処理等々の産業に使われるABS、カーボンファイバー、アクリル繊維、アクリルアマイドなど、川下分野に多角化するための重要な原料であるとしている。
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