経産省化学課は10月17日、エチレンセンター11社の2010年度の石油化学部門の収益が改善し、前年度比大幅な増収益となったと発表した。
売上高は13.0%増の3兆9,220億円、経常利益は749億円の黒字となった。
2008年度は1825億円もの赤字、2009年度も94億円の赤字で、3期ぶりに黒字転換し、前年比で843億円の改善を果たした。
しかし、1988年をピークとするバブル期、2006年をピークとする中国バブル期に比べると利益水準は大幅に低い。
また、業績の悪化から業界再編(三菱化学・三井化学の設立、誘導品での事業統合、三菱四日市のエチレン停止など)が行われた1990年代後半~2000年代前半(のうちの良い時)の水準でしかない。
半期ごとに見ると、
2009年上期 -128億円
下期 34億円
2010年上期 214億円
下期 535億円
と、順調に回復しているように見える。
この損益には子会社(事業統合会社を含む)の損益を含んでおらず、必ずしも石化事業全体の損益を示さない。
営業損益についてはエチレンセンター11社の単独ベースのほか、子会社業績も含めた連結ベースについても報告されている。(連結ベースでは海外の事業の損益も含む)
これでみると、年間では単独・連結ともに経常損益と同様に順調な回復をしている。
しかし、半期ごとにみると、単独ベースでは順次回復しているが、連結ベースでは営業損益は上期に大幅に伸張したが、下期は1/3弱に落ち込み、2009年下期の損益を下回っている。
今後とも、過去2度のバブル期のような損益水準に戻ることはないだろう。
コメントする