中国で新通貨「潘」が誕生した。
冗談でできたものだが、実際に不動産の販売宣伝に使用されている。
発行元 SOHO中国不動産銀行(地産銀行)
1潘=1000人民元/1m2
北京中心地区でオフイス物件や高級マンションの開発に従事し「三里屯SOHO」「SOHO現代城」などの物件を多数所有する不動産デベロッパー、SOHO中国有限公司のオーナーで有名な潘石屹(Pan Shiyi)がブログで次のように述べたことが発端。
「もしアップルが携帯電話を1台1000人民元(約1万2000円)で販売すれば、数百万人の中国国民が、アップル製品と死去したスティーブ・ジョブズ会長に限りない親近感を抱くだろう」
これに対し唐若丁9983の名前のブロガーが次のように応じた。
「潘董事長が死去したら、SOHO中国は1平方メートル当たり1000人民元で住居を販売してほしい。10億を超す国民が同氏を追悼すること間違いなし」
その後、これがどんどん広まった。
上のようなコンピュータで作った紙幣が現れた。潘氏の似顔絵が入り、発行元はSOHO中国不動産銀行となっている。
天津津浦偉業不動産はマンションの宣伝にこれを使った。
"Hot sales all over the city, up for grabs from 8.8 Pan!" 「お買い得、8.8潘から」
(1平方メートル当たり8800人民元から)
武漢市榮盛不動産開発も「アパートを"5 潘"から買えます」と宣伝している。
潘氏はこの動きを、「高い不動産価格に対する国民の不満の表れ」と述べている。
住宅価格の高騰は食料品の値上げとともに、若年層やこれまで政治に無関心であった都市の中間層に不満を引き起こしている。
中国全体ではアパートの平均価格は年収の7倍だが、北京や上海では17倍以上となっているとされる。
(2011/10/19 Financial Times から)
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