Solvayは10月5日、DowとのJVのMTP HPJV (Thailand) がタイのMap Ta Phutで世界最大の過酸化水素工場をスタートさせたと発表した。
2007/8/3 Dow と Solvay、タイにHPPO用の過酸化水素製造のJV設立
Solvayの独自技術によるもので、ユニークな大規模プラントにより建設費と製造コストが節減できる。省エネ、節水の面で環境面でもメリットがある。
能力は33万トン(100%ベース)で、DowとSiam Cement のJVのMTP HPPO Manufacturing のPO(HPPO)の製造用に供給される。
2008/6/16 Dow、タイで過酸化水素法PO工場建設
原料プロピレンは、Dow と Siam Cement Group のRayong の新しいナフサクラッカーから供給する。
能力はエチレン90万トン、プロピレン80万トン。OCT(Olefins Conversion Technology) で大量のプロピレンを製造する。Siam が67%、Dow が33%出資。2006/10/24 ダウ、アジア進出を促進
今回のタイのプラントはPO製造用のワールドクラスの過酸化水素工場としては2番目のもの。
最初のものは2009年末に稼働したアントワープの23万トンプラントで、SolvayとBASFのJVにDowが参加してパートナーシップを設立した。DowとBASFのJVの30万トンHPPO用に供給している。
2009/3/12 ダウとBASFのHPPO法PO生産開始
タイの過酸化水素はHPPO向けが主であるが、生産量の1/4は Solvay Peroxythai Limited が外販する。
Solvay Peroxythai は東南アジアの過酸化水素の主メーカーで、Map Ta Phutに35千トンのプラントを持ち、過去20年以上にわたり、高純度品を食品やエレクトロニック業界に供給している。新プラントからの製品で、供給能力は従来の2倍以上となる。
参考
Evonik(旧Degussa)は2011年1月、インドでのHPPOプロジェクトに関し、インドのソーダ会社 Gujarat Alkalies and Chemicals Limited (GACL)と覚書を締結した。
EvonikとUhdeが共同開発した過酸化水素法プロピレンオキサイド(HPPO)をGACLが建設し、過酸化水素工場をEvonikが建設するもの。GACLの拠点のインドGujurat 州Dahej に建設する。
EvonikとUhdeはこの技術を韓国のSKCに供与し、SKCは蔚山に100千トンのHPPOプラントを建設、2008年にスタートした。
Evonikは子会社Evonik Degussa Peroxide Koreaで過酸化水素を製造しているが、2010年11月、SKCはこの子会社に45%出資し、協力関係を強化した。
2011/1/20 Evonik、インドでのHPPOプロジェクトでインドのGACLと覚書締結
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POの製法については下記参照。
2006/3/24 ダウとBASF、POを新製法で生産
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