興和とイスラエルのTeva Pharmaceutical 、合弁事業を解消

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ジェネリック医薬品の世界最大手のイスラエルのTeva Pharmaceutical Industries は9月26日、興和とのJVを9月27日付で解消すると発表した。
興和テバの興和持分を1億5000万ドルで買い取り、興和テバを100%子会社とする。社名は当面そのままとする。

Teva Pharmaceutical は2008年9月、日本で興和との折半出資会社興和テバを設立して、日本市場に本格参入すると発表した。
両社の研究開発、製造、物流、マーケティングの力を合わせ、日本市場で高品質のジェネリック医薬品の供給を行なうとし、
2009年から営業を開始した。

2008/9/26 ジェネリック医薬品の世界最大手、日本進出 

興和テバは2009年12月、滋賀県甲賀市甲賀町の医療用医薬品のジェネリック専業メーカーの大正薬品工業とジェネリック医薬品で戦略的提携を行うことで合意、興和テバは大正薬品工業の株式の73.64%を取得した。

その後、2010年2月に第三者割当増資を引き受け、持株比率を88.28%に引き上げた。

2010年7月には大正薬品の営業部門を興和テバに統合、8月には完全子会社化し、10月には研究開発部門も統合している。

Teva Pharmaceuticalは興和と組んで日本に進出、大正薬品工業もその傘下に収めたが、他方、2011年5月にジェネリック医薬品で国内3位の大洋薬品工業の株式の過半数を取得する合意書を締結した。

Tevaは大洋薬品工業に対して、テバの原薬(API)、バイオシミラー、 その他の製品ポートフォリオならびにグローバルの経営資源を活用出来るようにし、一方、 大洋薬品工業は、国内の販売網、生産設備、研究開発、その他の経営基盤についてTevaと融合を進めていくとした。

Tevaは大洋薬品の創業家などから株式の57%を取得する契約を結び、更に残る株式全部について買収するオファを行い、2011年7月に大洋薬品の全株式を934 百万ドルで取得した。

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この結果、Tevaの日本での活動は、合弁の興和テバと100%子会社の大洋薬品工業が共存することになり、動向が注目されていた。

今回の買収でTevaは興和テバも100%子会社とした。
両社の扱いについては言及していないが、近い将来、合併させると思われる。

付記

テバは11月17日、大洋薬品と興和テバを2012年半ばに統合すると発表した。
統合後の新社名は「テバ製薬」となる。


興和テバは2010年に、売上高約200百万ドルを達成した。大洋薬品の2010年の売上高は約530百万ドルで、両社合計で日本のジェネリック企業でトップになる。
Tevaでは当初の目標である2015年より早く、日本における売上高10 億ドルを達成することを見込んでいる。

後発薬事業を主力とする企業の売上高ランキング
  (後発薬以外も含む。 単位:億円)
  大洋薬品+興和テバ  694
1 日医工 643
2 沢井製薬 638
3 大洋薬品 514
4 東和薬品 461
5 富士製薬 197
6 シオノケミカル   
7 興和テバ 180
 ソース:日本経済新聞

なお、興和は後発薬部門を一時、手放す格好となる。
同社は新薬、一般用医薬品(大衆薬)に加え、「興和グループとして独自に後発品を手掛ける」としている。
 

付記

興和は2012年3月30日、興和グループの「医薬品ハイブリッド戦略」の一翼を担う会社として、ジェネリック医薬品を販売する新会社「興和ジェネリック」を設立し、営業を開始したと発表した。

ハイブリッド戦略:
「医療用医薬品」、「OTC 医薬品(一般用医薬品)・ヘルスケア品」、「ジェネリック医薬品」の三分野が相互に作用し相乗効果を生む興和グループの医薬品事業戦略

 

 

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