BPは11月7日、Bridas CorporationからPan American Energy の持株60%の購入契約を終了するとの通知を受け取ったと発表した。
BPは2010年11月28日、アルゼンチン最大の原油輸出企業のPan American Energyの持株(60%)を、残り40%を保有するBridas Corporationに売却する契約を締結したと発表した。
Bridasは対価として70.6億ドルを現金で支払う。うち35.3億ドルを前払いとして12月に2回に分けて支払い、残りを2011年前半に予定される取引完了時に支払う予定であった。
Bridas CorporationはアルゼンチンのCarlos Bulgheroni氏傘下のBridas Energy Holdings が50%、中国のCNOOCが50%を保有している。
2010/12/1 BP、アルゼンチンのPan American Energy の持株をBridas Corporationに売却
現時点でアルゼンチンと中国の独禁法当局の承認が得られていない。
契約では全ての条件が満たされない場合は、2011年11月1日以降、双方はいつでも契約を終了できることとなっている。
BPは、前受金として受け取り、 (売却益ではなく)短期債務として処理している35.3億ドルを11月14日に返金する。
BPは長期に保有してきた貴重な資産を取り戻してhappyとしており、当面は資金確保の必要がないため、非戦略的資産の売却のみとし、この売却の代わりに追加で資産を売却する計画はないとしている。
当初予定していた450億ドルの資産売却を2013年末までに延長する。
BPはまた、契約上、当局から独禁法上の認可などを得る責任はBridas Corporationのみにあるとし、Bridas を非難した。
CNOOCでは、Bridas Corporationは今後、これまで通り、40%株主としてPan American Energy に参加を続けるとし、CNOOCはBridas Energy Holdingsとのパートナーシップを強化し、アルゼンチンでの活動を更に拡大すると述べた。
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本件は非常に不思議な話である。
当初は2011年前半に取引完了が予定されていたが、今まで延び延びとなった。
しかもその理由が、アルゼンチンと中国の承認が得られていないことという。
両国が何かを問題として認めなかったという事情はなさそうである。
通常はなにかが問題の場合は、企業と当局が交渉して問題の解決を図るが、その動きもない。
この程度の買収が競争制限を起こすとみなされるとは考えにくい。
CNOOCのアルゼンチンでの活動の拡大を中国が承認をしないというのは理解できない。
買い手側が契約後に何らかの理由で解約を図り、解約料の支払いを避けるために、契約の期限が来るまで引き延ばした可能性がある。
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これは中国の石油会社が本年に買収に失敗した二番目のケース。
本年2月にPetroChinaがカナダの天然ガス最大手のEncana Corporation から天然ガスの権益の50%を54億カナダドルで買収することで合意したと発表したが、6月に条件が折り合わず、交渉を中止している。
2011/2/16 PetroChina、カナダの天然ガス権益取得
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