EUは10月19日、テレビやコンピュータに使われるブラウン管(CRT)用ガラスのカルテルで3社に128.736千ユーロの制裁金を科した。
カルテルは1999年2月から2004年12月まで続き、欧州経済領域(EEA)での販売価格を調整していた。
EUによる調査は2008年末から始まった。
韓国Samsung Corning Precision Materials は最初にカルテルの存在を報告して制裁金を全額免除された。
日本電気硝子は調査に協力して50%の免除を受けた。
また、各社とも、カルテルの存在について争わない「同意決定手続き」に応じたため、制裁金は10%減額された。
Leniency
減額協力
減額同意決定
減額制裁金
(千Euro)Samsung Corning Precision Materials 100% 10% 0 日本電気硝子 50% 10% 43,200 Schott AG 18% 10% 40,401 旭硝子 10% 45,135 合計 128,736
「同意決定手続(Cartel Settlement Procedure)」は2008年6月30日に制定され、同年7月1日から運用された。
裁判所への控訴による長期の争いを避け、他の事件の摘発に要員を向けることが目的。
適用の第1号は2010年5月のDRAMカルテル。
2010/5/21 EU、DRAMカルテルに制裁金、「同意決定手続き」初適用その後、飼料カルテルと家庭用洗剤カルテルで適用があり、今回は4例目。
付記
韓国の公正取引委員会は12月11日、ブラウン管用のガラスをめぐり、価格や生産量を調整する国際カルテルを結んでいたとして、日韓4社に総額545億ウォン(約37億円)の課徴金を課したことを明らかにした。
サムスンコーニング精密素材、旭硝子の子会社の韓国電気硝子、 日本電気硝子とそのマレーシア法人。
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韓国Samsung Corning Precision Materialsは旧称Samsung Corning Precision Glassで、韓国Samsung Electronicsと米Corningの合弁会社。
主にSamsung向けにLCDガラス基板などを供給しているが、社名変更後は無機材料に関する材料メーカーへと業容拡大を狙う。
Schott は、125年以上にわたり、特殊ガラス、特殊素材、部品、システムの開発と製造に従事。
日本電気硝子は1944年に日本電気により設立、1949年に日本電気から分離独立した。
2011年3月にニプロが日本電気硝子の株式の10.62%を取得して主要株主となり、その後、電気硝子もニプロの株式の10.40%を取得している。
2011/7/30 ニプロ、医薬用硝子容器事業で海外展開
旭硝子は、CRT用ガラス事業から既に撤退している。
(過去も欧州において製造拠点を保有していない。)
旭硝子は同事業に関して、韓国の競争法当局からも調査を受けている。
なお、旭硝子とPilkington(日本板硝子)などは欧州での板ガラスカルテルで制裁金を科せられている。
2007/3/20 欧州委員会板ガラスカルテルを調査
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