イラク政府は11月27日に、Shellと三菱商事との間で、イラク南部の3つの油田で随伴ガスを収集する契約を締結する。
イラク国営のSouthern Gas Companyが51%出資するBasra Gas Company を設立、Shellが44%、三菱商事が5%を出資する。契約期間は25年間。
政府のスポークスマンは11月15日、内閣がこれを承認し、170億ドルの計画に青信号を与えたと発表した。
JVはイラク南部の3つの油田、Rumailah、Zubair、West Qurna 油田から日量20億立方フィート以上の随伴ガスを回収する。
回収したガスを天然ガスやLPGなどに精製するプラント2基を建設、2013年に操業を開始する。
今後さらに回収量を増やし、イラクにLNG基地を建設し、日本を含む世界中に年400万トンを輸出する計画で、プロジェクトの総事業費は170億ドル、 うちLNG輸出のための投資が44億ドル。
日本貿易保険がイラク向けとしては21年ぶりに損害の一定割合を補償する保険を付与する。
これらの油田は第一次開放対象で、状況は以下の通り。
発見 埋蔵量
(億バレル)現状
(千b/d)開発担当 北ルメイラ油田(Rumaila)
南ルメイラ油田1953 92
73470
585BP/CNPC 西クルナ油田(Qurna) 1973 74 300 ExxonMobil/Shell ズベイル油田(Zubair) 1949 40 240 Eni/Occidental Petroleum/KOGAS
Shellは2008年からイラク政府との間で燃やされている随伴ガスを回収する件で交渉してきた。
本JVに関する予備契約は7月12日に調印された。
イラクは現在、1日当たり500万ドル相当のガスを燃やしてしまっている。
原油生産の増加に伴い、フレアする随伴ガスは1994年の30億m3 から100億m3 にまで増加している。
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