第一三共は12月21日、インド子会社のRanbaxy Laboratoriesが米国FDAと同意協定書を締結したと発表した。
メリーランド地区合衆国連邦地方裁判所の承認を条件としている。
第一三共は2008年6月11日、インドのジェネリック医薬品大手 Ranbaxy Laboratories 及び創業家一族との間で、同社の議決権総数の50.1%以上を取得する契約を締結したと発表、11月7日、Ranbaxy株の63.9%を取得したと発表した。
しかし買収手続き中の2008年9月16日に、米国FDAはRanbaxyの医薬品30種以上の輸入を一時停止した。
医薬品の安全性に問題はないが、Ranbaxyのインドのデワスとパオンタ・サヒブにある2つの工場で、製造器具の洗浄状況、生産管理、品質管理などに関する記録の保存に関して問題が改善されていないためとしている。
また、FDAが1月から3月にかけて問題の2工場を査察した際、抗生物質の取り扱い方法にも問題が発見されたという。
2009/1/8 第一三共、ランバクシーの評価損計上
Ranbaxy Laboratoriesは本年11月30日に、高コレステロール血症治療剤アトルバスタチン(Atorvastatin ) 「リピトール」の後発薬を米国で発売した。
同社は当初、インドでの原体生産を検討していたが、米国への輸入が認められていないため、Teva Pharmaceuticalに原体の生産を委託せざるを得なかった。
2011/12/5 第一三共子会社 Ranbaxy、米国で「リピトール」の後発品を発売
今回の同意協定書で、Ranbaxyは、データの信頼性を確実にするための手段や方針を更に強化し、現行の適正製造基準を遵守することを確約することとなった。
また、これまでの行為に対し、米国司法省との案件の解決で罰金の支払いが必要となるが、Ranbaxyはこのため、500百万米ドルの引き当てを行う。
第一三共では、5億ドルの引き当てにより、Ranbaxyでの税引後で375億円の利益減、少数株主持分控除後の純損益で240億円の利益減を見込み、損益予想の修正を行った。
第一三共では、Ranbaxyの全ての施設が、法規制を遵守した高い水準で事業遂行することに引続き取組み、患者や消費者に価値ある製品を提供するよう、積極的に関与していくとしている。
また、本件解決後に Ranbaxyは製品の米国輸入を再度認められることになるが、世界最大の医薬品市場である米国において、アトルバスタチンを含む既存品の拡大に加え、重要新製品の上市に向けて事業活動を強化するとしている。
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