中国は1995年10月にWTO加盟を申請、2001年11月10日にカタールでのWTO閣僚会合が加盟を承認、12月11日に加盟が発効した。
国務院新聞(報道)弁公室は12月7日、中国のWTO加盟10周年にあたり、白書「中国の対外貿易」を発表した。
この30年余り、中国は対外開放を拡大し、外資を導入、利用し、先進技術を導入し、国内産業の改造・高度化を進め、国際分業・競争に全面的に加わり、対外貿易の飛躍的発展を実現した。
モノの輸出入総額は1978年の206億ドルから2010年には2兆9740億ドルに増え、2年連続で世界のモノ貿易の輸出第1位、輸入第2位の大国となった。
しかし、中国は輸出産業がグローバル産業チェーンのローエンドに位置し、資源、エネルギーなど要素投入と環境コストが比較的高く、企業の国際競争力、一部業種のリスク抑制能力が相対的弱い。WTO加盟後、中国の対外貿易体制は徐々に国際貿易ルールに合致したものになり、統一、開放の、多国間貿易規則にかなった対外貿易制度を確立した。
対外貿易の発展は中国経済の近代化と総合国力の向上を促すだけでなく、中国経済を世界経済の一部にし、経済のグローバル化を世界各国・地域の共同の繁栄にプラスの方向に進めている。
中国政府は対外貿易の不均衡問題を非常に重視し、一連の政策・措置をとり、貿易黒字の急増を抑え、大きな成果を収め、対外貿易が均衡しつつある。
中国政府は対外貿易にまだ不均衡、不調和、持続不可能の問題のあることをはっきり認識しており、貿易発展パターンの転換を急ぎ、対外貿易の持続可能な発展を実現している。
第12次5カ年計画期(2011―15年)に中国は開放を一段と拡大する。
中国は貿易パートナーと共に世界経済・貿易の発展において直面しているさまざまな挑戦(試練)に共同で対応し、繁栄を共有し、ウィンウィン(共に勝者になる)を実現する。
12月9日付の人民網日本語版は「WTO加盟から10年間の十大ニュース」を掲載した。
(1)中国が世界一の輸出国、世界2位の輸入国に
2009年に中国が世界一の輸出国になるとともに世界2位の輸入国になった。
WTO加盟以来、貨物貿易の輸出入規模は2001年の5098億ドルから2010年は約3兆ドルに増加し、輸出は約 6倍、輸入は5.7倍、それぞれ増加した。
(2)中国が世界の多国間貿易体制の中核メンバーに
2008年7月、中国はWTOの多角的貿易交渉(ドーハラウンド)におけるさまざまな形式の話し合いに初めて参加した。
同年11月には、中国の指導者が初めて主要20カ国・地域(G20)による首脳会合(金融サミット)や経済サミットに出席した。
(3)対外貿易経営権の開放が民間企業の国際市場開拓を推進
2004年7月1日、中国は計画を半年前倒しして、WTO加盟時の承諾事項の対外貿易の経営権を開放、50年にわたって行われてきた対外貿易権の審査許可制が廃止され、登録制が取って代わった。
民間企業の国際市場開拓への意欲をかき立て、また中国の対外貿易の輸出の大幅増加や民間経済の急速な発展に新しい動力を提供することになった。
(4)関税めぐる承諾の履行で企業や国民にプラス
2005年1月1日、WTO加盟時の承諾事項を踏まえて、WTOルールに合致しない非関税措置(輸入割当制や許可証の発行など)を全面的に撤廃し、これにより中国のWTO加盟後の過渡期が基本的に終了した。
同時に、中国は承諾事項を踏まえて、関税の全体的な水準の引き下げに努めている。
1986年 43.2%→2001年(WTO加盟時)15.3%→2011年現在 9.8%
(5)WTOルールに合致した市場経済法律システムを構築
2004年7月1日、「中華人民共和国対外貿易法」の修正が施行され、中国がWTO加盟時に承諾した関連の法律法規の全面的な整備を履行した。WTOルールに合致した貿易体制が徐々に構築され、社会主義市場経済の法律システムが一層整えられた。
(6)政府の職能がWTO理念の浸透を加速
2004年7月1日、行政許可の範囲、権限、プロセスを設定するとともに、行政許可に対する審査や監督などについて明確な規定を打ち出した「中華人民共和国行政許可法」が施行された。
WTOが提唱する「非差別的」、「透明性」、「公平な競争」、法律制度に基づく精神といった原則的な理念が、ますます人々の間に浸透するようになった。
(7)国内企業・外資系企業の所得税率を一体化
2008年1月1日、「中華人民共和国企業所得税法」が施行された。
2008/1/4 中国、新企業所得税法施行これにより国内企業・外資系企業に統一的な所得税率を適用し、各種の企業が平等を土台として公平な競争を展開できるようにし、国内企業に実質的な恩恵を与えただけでなく、海外から導入する投資の質を引き上げ、外資系企業の投資構造を改善するのにもプラスになった。
(8)伝統的な優勢産業のエネルギーを発揮
WTOのデータでは、2010年の中国の繊維製品輸出額は770億ドルで、世界市場に占めるシェアは30.7%、衣料品の輸出額は1300億ドルで、世界シェアの36.9%を占めた。
WTO加盟からの10年間に、繊維製品・衣料品、家電製品、電子情報製品といった中国の優勢産業の潜在能力が極めて大きく発揮され、国内需要を満たしただけでなく、「メードインチャイナ」の名を世界にとどろかせることになった。
(9)自動車社会へと進む中国 生産・販売は世界一
中国は2009年に初めて米国を抜き、世界一の自動車生産・販売大国になった。
2001年の生産台数はわずか246万7千台だったが、2010年の生産台数は1826万4700台、販売台数は1806万1900台に達した。
(10)紛争解決機関を利用した経済的権利の防衛が当たり前のことに
WTO加盟からの10年間、中国の対外貿易規模が急速に拡大するのに伴い、貿易摩擦も増え、紛争解決機関を利用して経済的権利を貿易することが、当たり前のことになりつつある。
WTO加盟後、海外で中国に対して発動された貿易救済措置としての反ダンピング調査、反補助金調査、反保障措置調査は累計約 690件に達し、対象金額は約400億ドルに上り、中国は何年も連続して世界で反ダンピング・反補助金調査を最も多く発動された国となった。
保護主義に反対し、多国間貿易制度を保護することが、長期的な任務となっている。
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