BASF、欧州での遺伝子組み換え事業を諦め、事業を米国に移管

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BASFは1月16日、同社の植物バイオテクノロジー(遺伝子組み換え)事業について、欧州市場を諦め、北米、南米の主市場に絞ることを決め、組織を再編すると発表した。

・BASF Plant Science本部をドイツのLimburgerhof から Raleigh, North Carolina に移転。
・欧州市場専用で開発してきた製品は全て開発を中止する。
・研究開発はRaleighと、従来からのベルリンとベルギーのGhent の3か所で行う。
 (欧州市場からは撤退するが、BerlinとGhentには近くにワールドクラスの研究所や大学が多くあるため)

同社では、「遺伝子組み換え技術は21世紀のキイとなる技術であると信じているが、欧州の多くで、消費者、農民、政治家に受け入れられない。このため、この市場のためだけの開発投資をする意味がない。北米南米市場と成長するアジア市場に集中することとした」としている。

開発を中止する欧州専用製品には、遺伝子組み換えのスターチ用ポテトなどがある。既に承認手続きを始めているものについては、今後の可能性を考え、手続きを継続する。

同社はMonsantoと組んでコーン、大豆、棉、菜種、小麦の開発を行っており、2011年末に第1号として干ばつに耐えるコーンの栽培が米国で承認された。

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BASFは2008年、欧州で遺伝子組み換え馬鈴薯(工業デンプン用専用品種) "Amflora"の販売承認が下りず、同年度の植え付けにも間に合わないことから、7月24日、欧州委員会をLuxembourg の欧州第一審裁判所に訴えた。

2008/4/23 BASF、遺伝子組み換え馬鈴薯の承認求め、訴訟も

欧州委員会は2010年3月、Amfloraの一般圃場での栽培を認めることを発表した。食用に使われることはないが、皮などの残渣が餌として家畜に提供されることは規制されていない。

BASFは2011年10月31日、疫病に抵抗性を持つ食用遺伝子組み換えジャガイモ"Fortuna"の認可をEUに申請したと発表した。

 

 

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