韓国国会、「米とのFTA再交渉」決議

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韓国国会は2011年12月30日、米国とFTAの再交渉をするよう政府に求める決議を賛成多数で可決した。国会はすでにFTAの批准を与党主導で承認している。

決議は特に「ISD条項」について「主権を脅かしかねない」と指摘、破棄も含めて米国と再交渉するよう求めている。

ISD(Investor State Dispute Settlement:投資家対国家紛争仲裁制度)は、投資家が相手国政府の政策により被害を受けた際、当該政府を国際投資紛争センターに提訴できる制度。

野党などは、同センターが世界銀行のもとで設置され、米国の影響が強いなどとして「韓国には一方的に不利な条項」と批判している。

なお、本条項は2007年の最初の妥結時から入っていた。

李明博大統領は11月15日、行事以外では就任以来初めて韓国の国会を訪問した。
与野党の代表との会談で大統領は、ISD条項について、「国会が米韓FTAを批准したら、3カ月以内に米政府にこの条項の改定について米国と交渉する」と約束した。

ISD条項は日本でも問題視されているが、河野太郎ブログは以下の通り述べている。

この条項は、海外に投資している日本企業の利益を守るのに役立つので、1978年の日本エジプト投資協定以降に結ばれた25本の投資協定では、日本フィリピンEPAを除き、全てにおいて投資家対国家の紛争手続(ISDS)規定が含まれている。
現実に、日本政府が訴えられたことはなく、日本企業が外国政府を訴えたことはある。
ISDS条項は、日本がTPP交渉に参加することを妨げるものではまったくない。

決議には強制力がないため、FTA発効の障害にはならないが、4月の総選挙、12月の大統領選に向けて、野党側は「米韓FTAを含む通商政策の全面見直し」を争点にする構え。

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米国と韓国のFTA交渉は2010年12月3日に妥結した。

2010/12/4 韓米自由貿易協定(FTA)追加交渉が妥結

米上下両院は2011年10月12日、韓国とのFTAの実施法案を賛成多数で可決した。

2011/10/14 米議会、韓米自由貿易協定を可決 

韓国与党ハンナラ党は11月22日、国会で韓米FTA批准案を強行可決した。李明博大統領は11月29日に批准案に署名、関係閣僚会議で2011年1月1日の発効を目指す準備の徹底を指示した。

2011/11/25 韓国、韓米FTA批准案を強行可決 

外交通商部のFTA交渉代表は12月12日、韓米FTAについて、当初予定していた2012年1月1日の発効は困難だと発表した。
米国内の手続きが残っているほか、年末年始の休暇があるためと説明、1月中旬から下旬の発効を見込んでいると述べた。

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韓国政府は2012年1月2日、企画財政部や知識経済部、農林水産食品部の5つの関係省庁が合同で、「韓米FTA批准による追加の補完対策」を発表した。2007年以降、2度にわたって補償対策を発表したが、国会で追加された支援対策などを包括した総合的補償対策をまとめた。

韓米FTAで被害が予想される農漁民に対し、予算24兆1000億ウォン(約1兆7000億円)と、税制上の優遇策29兆8000億ウォンなど、計54兆ウォン規模の財政の投入を行う。
昨年8月の追加対策発表の時より、それぞれ財政支援は2兆ウォン、税制支援は8000億ウォンが増えた。
韓米FTAの発効による被害に対する補償に向けたこのような優遇策を、2017年まで維持する。

今回の対策で、輸入の急増で価格が下落し、被害が生じた農漁民に対する補償(被害補填直払制)を強化した。
扱う品目が平均価格の90%以下に落ちれば、その差額の90%を政府から補償される。
(従来案では価格が85%未満に落ちた場合に被害補償を受けられる。)
品目別支給限度は法人5000万ウォン、個人3500万ウォン内で大統領令で定める。

畑作農業の直払い制や水産直払い制も新たに導入され、小麦・豆・麦・トウモロコシなど19種類の作物に対し、1ヘクタール当たり年間40万ウォンを、陸地から8キロ以上離れた漁村は、1世帯当たり49万ウォンを受け取ることができる。

農家の競争力強化に向けた施設現代化資金は、昨年の2450億ウォンから2012年は4109億ウォンへと増加した。
各農家が、施設現代化を政府補助無しに融資で推進した場合、現在の3%の融資金利を1%へと引き下げる。

商工人対策として年間3200億ウォン規模の振興基金を設立する。
小商工人と中小企業のための金融支援、過密業種の構造改善、伝統市場の活性化などに使われる。

流通産業発展法の改正で、大型マートと企業型スーパーマーケットの営業時間を制限し、義務休業日を指定できるようにした。
地方自治体は大型流通施設の営業を最大で午前0時から午前8時まで制限でき、1カ月に1-2日は義務休業にできる。ただ、農水産物の販売比率が51%を超える大規模店舗は対象から除かれる。 

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韓国の李明博大統領は1月9~11日に国賓として中国を訪問する。

東亜日報によれば両国は、首脳会談で韓中FTA締結交渉の開始を発表する。交渉開始の時期は二月上旬の見込みとしている。

韓中FTAは中国側が交渉開始に積極的とされる。

 

 

 

 

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