LG Display、赤字の中国工場のストでボーナス支給へ

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韓国のLG Displayの南京工場で2011年12月26日、従業員8000人のストライキで生産ラインが完全に停止し、関連工場にも影響が出た。生産停止の影響によって、1日あたり1億元(約12.2億円)の損失が出た。

同工場ではこの3年間、3カ月分の給与に相当する年末ボーナスが支給されていたが、今年は1カ月分だといううわさが流れ、不満が噴出していた。そこに、「本社と韓国人従業員には給与6カ月分相当のボーナスが支給される」というデマが広がり、ストが拡大した。

LG Displayは年頭に経営目標を決め、これを達成できなければボーナスを支払わず、達成できれば給与1カ月分、さら高い目標を達成できればそれを反映し追加ボーナスを支給するという原則を守っていた。

同社は2011年は約1兆ウォン(約670億円)の赤字を出しており、南京工場も経営目標を達成できなかった。
このため、従来までは月給3カ月分だった年末ボーナスの支給そのものが難しくなった。
 

3日間にわたりストライキが行われた結果、労使が給与2カ月分相当の年末ボーナスを支給することで合意、29日に通常通り稼動した。会社側は「韓国人従業員と中国人従業員との間に差別的待遇がある」とのうわさを否定した。

LGディスプレーは原則を破り、予定になかった計100億ウォン(約6億7000万円)規模のボーナスを支給することになった。

同社では、「今回の事態は、中国人従業員が成果給の意味を正しく理解しておらず、毎年当然支給されるものと考えているために発生した」と説明している。

結果的には、本社では「本社の社員が逆差別を受けている」という声まで上がっている。

同社の中国での労務費水準(ボーナスも含めた労務費の他社の労務費との比較)などにもよるが、現在の中国では一般労働者に「作業目標」ではなく、「経営目標」を基準にした成果給の適用は難しいと思われる。

 

 

 

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