国際石油開発帝石(INPEX)は1月13日、豪州のIchthys LNGプロジェクトに関する最終投資決定を行ったと発表した。
生産開始は2016年12月末の予定。
本プロジェクトは、同社がTOTALとともに推進する西豪州沖合WA-37-R鉱区ほかに位置するIchthys ガス・コンデンセート田の開発プロジェクトで、日本企業が主導する初の大型LNG(液化天然ガス)開発プロジェクト。
同社にとり、マハカム沖鉱区プロジェクト(インドネシア)、バユ・ウンダンプロジェクト(チモール海共同石油開発地域)、タングーLNGプロジェクト(インドネシア)に次ぐ4件目のLNG開発・生産プロジェクトで、このプロジェクトにおいては初めて操業主体(オペレーター)を務める。
Ichthys ガス・コンデンセート田の埋蔵量は、年間800万トン超のLNGを約20年の長期にわたり生産できる規模。
産出される天然ガスを、Darwinに建設する陸上プラントで液化し、年間840万トンのLNGと年間約160万トンのLPGとして生産・出荷する。
また、洋上貯油・出荷施設(FPSO:Floating Production, Storage and Offloading)等から日量約10万バレル(ピーク時)のコンデンセートを生産・出荷する。
権益比率はINPEXが76%、Totalが24%で、INPEXは一部を東京ガス等に譲渡予定で、豪州政府承認後は以下の通りとなる。
INPEX 72.805 % Total 24.000 東京ガス 1.575 大阪ガス 1.200 東邦ガス 0.420
プロジェクトの総投資額は340億米ドルで、同社負担分(権益比率72.805%)は247億米ドル(約1.9兆円)を見込む。
LNGについては既に、下記の通り、2017年から15年間の長期LNG売買契約を締結しており、7割相当が日本に仕向けられる。
買主 LNG年間販売量 東京電力 105万トン 東京ガス 105万トン 関西電力 80万トン 大阪ガス 80万トン 九州電力 30万トン 中部電力 49万トン 東邦ガス 28万トン CPC社(台) 175万トン TOTAL社(仏) 90万トン 当社 90万トン 合計 (832万トン)
同社はIchthys周辺の開発プロジェクトに参加している。
参加権益比率(*オペレーター) Ichthys:
WA-37-R、WA-285-P*同社76%、TOTAL 24% WA-274-P 同社 20%、Chevron 50%、 *Santos 30% WA-281-P 同社 20.00%、*Santos 47.8306%、Chevron 24.8300%、Beach 7.3394% WA-341-P *同社 60%、TOTAL 40% WA-343-P *同社 60%、TOTAL 40% WA-344-P *同社 60%、TOTAL 40% WA-410-P 同社 20%、*Santos 30%、Chevron 50% WA-411-P 同社 26.6064%、*Santos 63.6299%、Beach 9.7637%
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2010年代後半までに予定される主なアジア向け新規LNGプロジェクトは以下の通り。(2012/1/14 日本経済新聞)
プロジェクト | 能力 万トン/年 |
操業主体 | |
豪州 | Gorgon | 1,500 | Chevron |
Wheatstone | 860 | Chevron | |
Queensland Curtis | 850 | 英BG Group | |
Ichthys | 840 | INPEX | |
Australia Pacific | 700 | ConocoPhillips | |
Pluto | 430 | 豪 Woodside | |
インドネシア | Tangguh | 380 | BP |
Abadi | 250 | INPEX | |
Donggi-Senoro | 200 | 三菱商事 | |
パプアニューギニア | PNG | 660 | ExxonMobil |
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