中国の国家発展改革委員会(NDRC)と商務部は2011年12月29日、外商投資産業指導目録(外資の対中投資ガイドライン)の改訂版を発表した。2012年1月30日から施行する。
2011年版 http://www.ndrc.gov.cn/zcfb/zcfbl/2011ling/W020111229379511927834.pdf
前回は2007年11月に改定し、同年12月1日から施行した。
2007年版 http://www.ndrc.gov.cn/zcfb/zcfbl/2007ling/W020071107537750156652.pdf
2007/11/12 中国政府、「外国企業投資産業指導目録」を改定
NDRCでは、「対外開放を進めた」としており、投資の奨励業種を増やし、禁止分や制限業種、出資制限業種を減らしたという。
新リストでは「奨励類」の項目が増え、「制限類」および「禁止類」の項目が減っている。
医療機関、金融リース企業などへの投資は、「制限類」から「認可類」に調整された、
新エネルギー発電設備などの分野における外資の持ち株比率に関する制限が撤廃され、持ち株比率を制限される項目が現行リストより11項目減った。
「奨励類」に繊維、化学工業、機械製造などの分野の新製品、新技術の項目が加わり、廃棄された電器電子製品、電気機械製品、電池の回収処理の項目が加わった。
自動車の充電ステーション、ベンチャー企業、知的財産権サービスを含むサービス産業関連の9項目が加わった。
過剰生産能力を抱える自動車製造を奨励業種から除外した。
過剰な生産能力や無計画な建設の重複を抑制するために、多結晶シリコン、石炭化学工業などの項目が「奨励類」から削除された。
NDRCによると、「このたびの改正の中で削除された一部の奨励類の項目は、中部・西部地区の産業移転受け入れ、中部・西部地区の特色ある優位な産業の発展を促進するなどの原則に基づいて、『中西部地区外資系企業投資優勢産業リスト』を改正する際に考慮する」という。
化学製品分野での主な変更は以下の通り。
エチレンや誘導品が奨励品目から外れた。
石油精製については、制限品目が変更になっている(細分化されている)。
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は変更なし | |
赤字は除外されたもの | ||
青字は追加されたもの |
2007年改定 | 2011年改定 | |||
奨励品目 | ||||
1 | 年産80万トン以上のエチレン | |||
2 | エチレン誘導品の製造、C4-C9副産品の活用(合成ゴム用ブタジエンを除く) | |||
3 | 年産20万トン以上のエチレン法PVC | |||
4 | 次亜塩素酸ソーダ、PVC、新しい有機シリコーン加工品 | 1 | 次亜塩素酸ソーダ、PVC、新しい有機シリコーン加工品 | |
5 | ベンゼン、トルエン、キシレン、エチレングリコール等有機化学原料およびデリバティブ | |||
6 | ビスフェノールA | 過酸化水素法PO | 2 | 過酸化水素法PO、グリセロールのエピクロロヒドリン、ナフタレンジメチルエステル、1,4 - シクロヘキサン2メタノールのエステル |
7 | 合繊原料: 精密テレフタル酸 |
カプロラクタム、ナイロン66塩、スパンデックス | 3 | 合繊原料:カプロラクタム、ナイロン66塩、スパンデックス、1,3- propanediol |
8 | 合成ゴム:溶液法SBR、ブチルゴム、イソプレンゴム、ポリウレタンゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、EPR、ニトリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、他の特殊ゴム | 4 | 合成ゴム:溶液法SBR、高シスブタジエンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ポリウレタンゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、EPR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、他の特殊ゴム | |
9 | エンプラ:PPO、ナイロン11・ナイロン12、ポリイミド、ポリスルホン、ポリアリレート、液晶ポリマー | 5 | エンプラ:年産6万トン以上の非ホスゲンPC、POM、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12)、EVA、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、液晶ポリマー、その他製品 | |
18 | 大規模石炭化学製品 | - | ||
直径200mmシリコン単結晶、ポリッシュウェーハ、 | 多結晶シリコン | 直径200mmシリコン単結晶、ポリッシュウェーハ | ||
制限品目 | ||||
年産800万トン以下の製油所 | 年産1000万トン以下の蒸留精製、 年産150万トン以下の接触分解、 年産100万トン以下の連続改質(芳香族抽出を含む) 年産150万トン以下の水素化分解 |
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