東京電力は1月23日、福島第一原発で発生する高濃度汚染水から、ほぼすべての種類の放射性物質を除去できる「多核種除去設備」を今年秋ごろまでに設置すると発表した。
現在の処理設備では主にセシウムしか除去できない。
2011/12/9 福島原発、汚染水処理問題
今回導入する他核種除去設備の概要は以下の通り。
処理するのは、セシウムを除外した後の逆浸透膜濃縮水、逆浸透膜淡水、逆浸透膜入口水で、処理流量は20m3/h(約500m3/day)以上を処理する設備とする。
法令で濃度限度が定められているほぼすべての放射性物質の濃度が、濃度限度を大幅に下回るようにする。
核種分析結果 (Bq/L) γ 核種 β 核種 Cs-134 Cs-137 Co-60 Sb-125 Mn-54 Sr-89 Sr-90 告示濃度限度 60 90 200 800 1000 300 30 処理前(オーダー) 1,000 1,000 10,000 100,000 10,000 10,000,000
(合計)処理後 いずれも告示濃度限度以下
但し、トリチウムだけは、水の一部となって存在するため除去が難しく、現状では、濃度限度の50倍以上が残る可能性がある。
多核種除去設備より発生する廃棄物については、専用容器に入れ脱水して保管することを検討している。
1日あたり容器 1.5本分の廃棄物が発生する見通しで、敷地内に保管場所の造成を予定している。
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