Saudi AramcoとSinopecは、温家宝首相のサウジ訪問中の1月14日、サウジのYanbuでの製油所建設の合弁契約に調印した。
2010年7月にAramco 100%で設立し、建設を開始しているRed Sea Refining CompanyにSinopecが参加する形で、Yanbu Aramco Sinopec Refining Co.(YASREF)と改称し、Saudi Aramcoが62.5%、 Sinopecが 37.5%を出資する。
日量400千バレルのArabian Heavy 原油を処理し、日量90千バレルのガソリン、同263千バレルの超低サルファディーゼル、同6300トンの石油コークス、同1200トンの硫黄などを生産する。2014年下半期に生産を開始する。
投資額は85~100億ドルで、ファイナンスについてはまだ決まっていない。
両社は2011年3月に覚書を締結、中国のNDRCは8月にこれを承認している。
2011/3/25 Saudi Aramco と Sinopec、サウジで製油所建設
なお、本製油所は当初、Saudi Aramco とConocoPhillipsの合弁で計画されていた。
2008年11月に金融危機の影響でAramcoの他の計画と同様に、本計画も延期された。
2008/12/10 サウジアラムコ、石油開発計画を延期
2010年4月にConocoPhillipsが川下分野削減という戦略変更に基づき、本計画から撤退した。
Sinopecにとっては、海外で製油所を建設する初めてのケースで、Saudi AramcoとSinopecとの4つ目のJVとなる。
①Fujian Refining & Petrochemical (福建聯合石油化工)
Aramco 25%、Exxon 25%、中国側50%(Sinopec 50 / 福建省政府50)
②Sinopec SenMei (Fujian) Petroleum (中石化森美(福建)石油)
Aramco 22.5%、Exxon 22.5%、Sinopec 55%③ Sino-Saudi Gas (サウジRub' al-Khali Basinでのガス開発)
Sinopec 80%、Aramco 20%付記
Sino-Saudi Gasは何年間も天然ガスの探索をしているが、発見したものも、工業ガス価格が安いため、開発していない。しかし、本年下半期に第二フェースの採掘を始める。
記者会見で、両社とExxonMobilとの中国の合弁会社で第二の製油所(240~300千バレル)の建設を協議していることが明らかにされた。
福建省のJVの能力増(製油所のデボトルネッキング、エチレン能力の80万トンから120万トンへの増強)も検討している。
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これと同時にSABICとSinopecの間の新規事業開発に関する協力覚書も締結された。温家宝首相も式典に参加した。
この中にはすでに合意している天津でのポリカーボネート生産JVも含まれている。
2011/5/26 SABICとSinopec、天津でポリカーボネート生産
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