米格付会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は1月13日、最上位である「トリプルA」のフランス、オーストリアを含むユーロ圏9カ国の国債格付けを引き下げたと発表した。
同社は昨年12月5日にギリシャとキプロスを除く15カ国を新たに格下げ方向で見直すと発表していた。
フランス、オーストリア | AAA | → | AA+ | 1段階 | ||
イタリア | A | → | BBB+ | 2段階 | ||
スペイン | AA- | → | A | 2段階 | ||
ポルトガル | BBB- | → | BB | 2段階 「投機的」格付けに | ||
キプロス | BBB | → | BB+ | 2段階 「投機的」格付けに | ||
スロベニア | AA- | → | A+ | 1段階 | ||
スロバキア | A+ | → | A | 1段階 | ||
マルタ | A | → | A- | 1段階 |
フランスは「債務の大きさと硬直的な労働市場」、オーストリアは「イタリアやハンガリー関連の取引で銀行が損失を被り、政府の支援が必要になる」ことを理由とした。
ドイツ、オランダ、フィンランド、ルクセンブルクはトリプルAを維持した。
但し、ドイツ以外の3国は「ネガティブ(弱含み)」で、2年以内で1/3の確率で格下げの可能性がある。
なお、Moody'sも昨年12月12日、2012年3月までにEU加盟国の国債の格付けを引き下げる可能性があると発表している。
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S&PとMoody'sの各国の格付けは以下の通り。
青字は2011年に格下げがあったもの
赤字は2012年に格下げがあったもの
( ↓) ( ↓)は以前の格付け(日付は格下げ日)
S&P | Moody's | ||||
ユーロ圏 | ユーロ圏外 | ユーロ圏 | ユーロ圏外 | ||
AAA | ドイツ (フランス↓1/13) (オーストリア↓1/13) オランダ フィンランド ルクセンブルグ |
英国 カナダ (米国↓8/5) |
Aaa | ドイツ フランス オーストリア オランダ フィンランド ルクセンブルグ |
英国 カナダ 米国 |
AA+ | フランス オーストリア (ベルギー↓11/25) |
米国 | Aa1 | (ベルギー↓12/16) | |
AA | ベルギー | (日本↓1/27) | Aa2 | (日本↓8/24) | |
AA- | (スペイン↓1/13) エストニア (スロベニア↓1/13) |
日本 中国 |
Aa3 | ベルギー (スロベニア↓12/22) |
日本 中国 |
A+ | (スロバキア↓1/13) スロベニア |
(中国↑'10/12/16) | A1 | スペイン エストニア スロバキア スロベニア |
韓 国 (中国↑'10/11/11) |
A | スペイン スロバキア (イタリア↓1/13) (マルタ↓1/13) |
韓国 | A2 | イタリア マルタ |
|
A- | マルタ | A3 | (ギリシャ↓'10/6/14) | ||
BBB+ | イタリア アイルランド (ギリシャ↓'10/4/27) (キプロス↓7/29) |
Baa1 | (キプロス↓11/4) | ||
BBB | (キプロス↓1/13) | Baa2 | |||
BBB- | (ポルトガル↓1/13) | (ハンガリー↓12/21) | Baa3 | キプロス | (ハンガリー↓11/24) |
↑ 投資適格 ↓ 投機的格付 | |||||
BB+ | キプロス (ギリシャ↓3/29) |
ハンガリー | Ba1 | アイルランド (ギリシャ↓3/7) |
ハンガリー |
BB | ポルトガル | Ba2 | ポルトガル | ||
BB- | (ギリシャ↓5/9) | Ba3 | |||
B+ | B1 | (ギリシャ↓6/1) | |||
B | (ギリシャ↓6/13) | B2 | |||
B- | B3 | ||||
CCC+ | Caa1 | (ギリシャ↓7/25) | |||
CCC | (ギリシャ↓7/27) | Caa2 | |||
CCC- | Caa3 | ||||
CC | ギリシャ | Ca | ギリシャ |
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