東京電力は2月13日、2011年4-12月決算を発表した。
災害損失、損害賠償額が増大した。
損害賠償額の増大に伴い、政府は支援機構資金交付金の6900億円の追加を認めた。
(単位:億円、配当:円) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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特別損益は以下の通り。
単位:億円 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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参考 2011/11/19 東京電力、2011年9月中間決算
災害損失
東電社長は、「廃炉の関係で損失を積み増している」と語った。
廃炉にかかる費用は「2~3年、全部ではないが見通せるものは見通した」と説明したが、
一方で「先々は見通せない。どのくらいかも不確定だ」とも語った。
損害賠償額
中間決算での損害賠償額は8,909億円(見込み額 10,100億円 マイナス 賠償補償 1,200億円)
東電社長は今回、賠償に必要な金額を見直したことも明らかにした。
「2012年3月をめどに(賠償の)業務を開始したい」と語った。対応人員を3500人増やし、1万人を超す体制で取り組む。
支援機構資金交付金
中間決算では5,436億円で、その後11月4日に、残り3,473億円の資金交付を決定した。
今回、経産相は以下の基本姿勢を示したうえで、東電と機構が申請していた6,900億円の賠償資金の追加援助について認定した。
付記
東京電力は4月23日、原子力損害賠償支援機構から、2,186億円の交付を受けたと発表した。5月末までに必要となる支払い見込額が計1兆22億円となったため。
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東電と機構は3月末までに、賠償への政府支援を続ける前提となる総合特別事業計画をまとめる。
機構が1兆円の公的資金で東電に資本注入し、廃炉費用などで悪化する東電の財務基盤を強化することが柱。
計画は経産相の認定が必要となるが、計画の策定に向けた枝野経産相の主な指示は以下の通りで、東電の経営権の掌握を目指している。
・公的資金による資本注入の前提として、注入額に見合う十分な議決権を要求
(3分の2以上を視野に、少なくとも過半の議決権を取得し、経営権を掌握することを想定)
・経営責任の明確化
・電気料金原価の見直し結果を企業向け料金にさかのぼって適用
・原子力被害賠償の加速
・思い切った事業再編、不動産売却・経営合理化の加速
経産相は東電社長との会談で「資本注入額に照らし、十分な議決権を伴わない形で資本注入を求める総合計画が提出されても、認定するつもりは全くない」と強調した。
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