バージン諸島のセントクロイ製油所閉鎖へ

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米の石油会社Hess Corporationとベネズエラ国営石油会社Petroleos de Venezuela, S.A. (PDVSA)の50/50JVの合弁会社HOVENSA L.L.C. は1月18日、米領Virgin Islands のSt. Croix の製油所を2月半ばに閉鎖し、石油貯蔵ターミナルに転用すると発表した。

過去3年だけで13億ドルもの赤字を出しており、今後もこれが続く見通しのため、閉鎖を決めた。

同社によると、赤字の理由は、世界的な不況による石油精製製品の需要の減少と、新興成長市場での新製油所の建設によるもので、これが過去3年で欧米で18の製油所(合計精製能力 日量200万バレル以上)の閉鎖の原因となっている。
また、天然ガス価格の低下も同社にとって不利に働いているとしている。

同製油所は1966年にHess により建設され、その後能力を増強、1998年にPDVSAとのJVとなり、現社名に改称した。

精製能力は日量50万バレルで、原油を輸入し、製品のガソリン、ディーゼル油、灯油、ジェット燃料、ケロシンなどをメキシコ湾岸や米国東海岸に販売している。32百万バレルのタンクも所有している。

ほかにBTX設備を持ち、能力はベンゼン 15万トン、トルエン 25万トン、混合キシレン 25万トンとなっている。

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PDVSAは米国に100%子会社のCITGO Petroleum Corporationを持っている。

同社は元々、1910年に設立されたCities Service Companyである。1965年に商標をCITGOとした(社名の初めに"Go"を付けた)。

1982年にOccidental Petroleum が買収したが、1983年に当時7-ElevenのオーナーであったThe Southland Corporationがコンビニチェーンへのガソリンの安定供給のために買収した。

1986年9月にPDVSAが50%を買収、1990年1月に残りも買収し、100%子会社とした。

CITGOは以下の3つの製油所を持つ。

 ・Corpus Christi Refinery 日量165千bpd、ガソリン生産 日量 420万ガロン
    ・Lake Charles Manufacturing Complex  日量425千bpd、ガソリン生産 日量 880万ガロン
    ・Lemont Refinery(イリノイ州)  日量167千bpd、ガソリン生産 日量 400万ガロン 

このほか、1993年にLyondellとの合弁会社Lyondell-Citgo(Lyondell 58.75%)を設立した。
Houstonに268千bpdの製油所を持っていたが、両社の関係が悪化し、2006年8月にLyondellがCitgoの持株41.25%全てを買取った。(PDVSAとの間で、230千bpd、5年間の原油供給契約を締結した)

 

 

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