旭化成とダイソーは今春をめどに、塩素や苛性ソーダを生産する岡山化成への共同出資関係を解消する。
旭化成は岡山化成の持株をダイソーに売却、ダイソーの100%子会社とする。2月21日付の日本経済新聞が報じた。
岡山化成は1968年設立で、旭化成ケミカルズとダイソーが50%ずつ出資している。
1970年に岡山県水島臨海工業地帯のC地区コンビナートで電解の稼働を開始した。
現在の生産能力は苛性ソーダが18万トン、塩素が16万トンとなっている。
ーーー
岡山化成の設立は、旭化成にとっては、日本ゼオンのエチレン法塩ビを水島コンビナートに誘致するための塩素の確保のためであり、ダイソーにとってはエピクロルヒドリンなどへの進出のための塩素の増設であった。
旭化成は山陽モノマーに30%出資、エチレンと塩素を供給し、VCMを延岡の塩化ビニリデンや溶剤用に一部引き取った。
2000年に山陽モノマーと新第一塩ビ(水島)が停止した。
このため、旭化成は隣接するヴイテック(三菱化学)に塩素を送り、VCMの委託加工を行った。
(当時、ヴイテックは電解能力が不足し、輸入EDCを購入してVCMにし、輸出していた。)
チッソは2002年に水島のPVCを停止、PVCから撤退した。
(その前に2000年に五井と水俣のPVCを停止している)
チッソ向けのVCM供給が無くなったうえ、肝心のヴイテックが2011年に水島の電解とVCMを停止
(水島PVCは2008年に停止済み)、2011年9月末に解散した。
この結果、旭化成は大口の塩素供給先が無くなったため、撤退する。
ダイソーは主力のエポキシ樹脂原料の強化に向け、原料の塩素を安定確保する。
コメントする