米オバマ政権、税制改革案発表

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オバマ政権は2月22日、連邦法人税の最高税率を現行の35%から28%に引き下げることを柱とする税制改革案を発表した。
国際的に高い水準にある法人税率を引き下げて米企業の国際競争力の強化や雇用拡大を狙う。

特に国内雇用の増加に貢献する製造業などには優遇措置を講じ、法人税の実効税率を25%以下に抑えるとしている。
一方で、石油やガス、投資ファンドなど特定の産業に与えている優遇を縮小・廃止し、全体としての税収は維持する。

石油・ガス関連、保険、資産運用企業を対象とした税控除が撤廃される。
とりわけ、プライベートエクイティやその他ファンドマネジャーが受け取る成功報酬に対する優遇税制を廃止する。
また、雇用や研究・開発の海外移転に対する優遇税制を廃止する。

オバマ大統領は「雇用を海外に出す企業に報いるのをやめ、米国内で雇用を増やす企業に報いるべき時だ」と声明で訴えた。
改革方針を記した資料では「日本は今年4月に税率引き下げを予定しており、米国を下回る見通しだ」と、日本を引き合いに出して危機感を表した。

野党・共和党の大統領選の有力候補であるロムニー前マサチューセッツ州知事も、「法人税率を25%に引き下げる」との減税策を発表した。

但し、優遇廃止に反対する動きは強く、減税案が通る可能性は低いと見られている。

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日本の法人税率は2012年から、従来の30%から25.5%に引き下げられる。
    
2010/12/13 法人税率引き下げとナフサ課税
    2010/12/19 税制改正大綱

しかし、復興財源確保法が2011年11月30日に成立し、2012年4月から3年間、復興特別法人税(年税額の10%)が上乗せされる。

この結果、実効税率は以下の通りとなる。(%)

    従来    2012年度以降
基本 3年間
法人税     30.00   25.50   25.50
復興特別法人税 法人税率x10%     2.55
住民税 法人税率x20.7% 6.21 5.28 5.28
事業税 下記参照 7.56 7.56 7.56
合計   43.77 38.34 40.89
実効税率 合計/(1+事業税) 40.69 35.64 38.02


・実効税率は、事業税が翌期に損金に算入され、課税を減らす効果があるため、これを勘案した実質課税率。
・事業税率は、東京都の外形標準課税法人で、3以上の都道府県に事業所を持つ資本金 1千万円以上の法人のケース

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先進諸国では法人税率の引き下げが進んでいる。

カナダの法人税は2011年1月に11.5%減の16.5%となったが、2012年1月からは15%となる。
  基本税率38%-軽減率 10% - 2012年減税 13% (2011年はこれが11.5%) =15%
  このほかに州の法人所得税がかかる。(軽減率10%は州の法人税賦課の場合)

英国の法人税率はこれまで28%だったが、2011年4月から26%に引き下げられた。以降2014年4月まで毎年1%ずつ23%まで引き下げられる予定。 

INEOSは英国の税率が28%の時に、本社をスイスに移転した。
  2010/3/5  INEOS、節税のためスイスへの移転を検討 

日本の法人税の実効税率は米国と並んで高い。
これの是正のため、難航の末に5%の引き下げを達成したが、復興財源確保法で3年間は引き上げられる。

米国の減税が実行されると、日本は先進国では最高税率となる。

 

 

 

 

 

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