コスモ石油は、サウジアラビア国営石油会社のSaudi Aramcoが沖縄県にあるタンクに貯蔵している原油を調達する。
5月上旬に沖縄県の基地にあるサウジ産原油20万キロリットルを船積みする予定で、堺製油所まで運び、石油製品を生産する。
原油の国内輸送に関し大型タンカーの利用が認められたことから費用の軽減が見込まれる。
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Saudi Aramcoによる沖縄原油タンク活用プロジェクトは2007年4月に中東訪問中の安倍晋三首相がアブドラ国王との会談で提案したもので、2010年6月に資源エネルギー庁とSaudi Aramcoが基本的事項について合意した。
Aramcoがうるま市の沖縄石油基地㈱の原油タンク6基(計60万キロリットル貯蔵)を借り受け、自国原油を蔵置し、商業的に活用する。
(経産省が石油天然ガス・金属鉱物資源機構JOGMECを通じ、沖縄石油基地から借りる国家備蓄用タンクのうち6基を転貸)
我が国は、緊急時において貯蔵される原油の優先的な供給を受けられ、エネルギーセキュリティが向上するとともに、日本への原油供給の約30パーセントを担うサウジアラビア王国との戦略的関係が一層強化される。
中東からの原油輸送は通常20日かかるが、沖縄からだと3~4日で製油所まで届く。
第1船(約30万キロリットル)は2011年2月に入港した。
Aramcoはこれまで、中国や韓国などに販売してきた模様。
第一号は2011年5月に韓国のGS Caltex.に出荷された。
2011年8月にはConocoPhillips向けに米西海岸に出荷されている。
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沖縄石油基地㈱は1973年設立で、JX日鉱日石エネルギーが65%、コスモ石油が 35%を出資する。
うるま市の約63万坪の敷地に45基(貯油能力450万キロリットル)の巨大タンクを配備し、日本の原油消費量の約6日分に相当する原油を貯蔵している。
平安座島と宮城島の間を埋め立てて、沖縄石油基地㈱の石油備蓄基地(OCC)が作られている。
これに隣接して平安座島に沖縄出光の石油備蓄基地(沖縄ターミナル:OTC)がある。(航空写真の青色の囲い)本島と結ぶ海中道路は、この石油備蓄基地の為につくられた。
我が国の現行石油備蓄制度は、国家備蓄と、「石油の備蓄の確保等に関する法律」に基づく民間備蓄の二本立てとなっている。
石油備蓄は現在、国家備蓄が116日分、民間備蓄は89日分となっており、国家備蓄は国内10か所の国家備蓄基地に加え、民間石油タンクを借り上げている。
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