中国で毒カプセル事件

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4月15日、中国のあるメディアが浙江省新昌県のあるカプセルメーカーのカプセル原料が工業用ゼラチンだと報道した。
なめし加工した後の残りの皮を加工して生産しており、それが既に大量に薬品市場に流れ込んでいるということで、社会に強烈なインパクトを与えた。

指摘を受けたのは、「学洋明膠蛋白廠」。(明膠はゼラチンのこと)

カプセル工場では皮革の廃材を強酸や強アルカリの液体で脱色し、ゼラチンにしていた。

まず原料を袋に入れ、大鍋の中で煮る。その後、鉄の容器に移し冷ましながら、異物を取り除く。
ある程度固まったゼラチンを切り分け、網に載せ天日干したのち、完全に水気が飛んだものを出荷していた。

中国紙によると、通常なら1万個で60元以上するカプセルもこの方法なら40~50元にコストを抑えられる。

同社のゼラチンで作られた医薬用カプセルから基準値を超える
最大で安全基準の90倍の量)重金属クロムが検出された。

「学洋明膠蛋白廠」は、医薬用カプセルやアイスクリーム、乳製品、ドリンクといったものの原料として多くの企業にゼラチンを販売していた。
地元の人たちは「ゼリーやアイスの類は怖くて食べられない」と話している。

報道の翌15日18時に新昌県はこの学洋明膠蛋白廠を閉鎖した。
同社の創業者の息子が、証拠隠滅をはかるため、会社に放火する騒ぎも起きた。

浙江省新昌県には数十社の薬用カプセル製造会社が集中。全国生産の3分の1に当たる年約1000億個が製造されている。
同県の18日の調査結果発表では、96サンプルのうち33で毒性のあるクロムの値が基準を超えたという。

同県公安局が4月16日に、警察が容疑者11人に対する強制措置をとったことを明らかにした。華星膠丸廠、新昌県卓康カプセル、新昌県瑞香膠丸、浙江林峰カプセルのカプセル生産企業4社の関係者だという。

国家食品薬品監督管理局が4月16日緊急通知し、含有クロム量超過の薬用カプセルの販売停止と使用停止を発表した。

4月18日に浙江省寧波市の前宋村にあるゼラチン製造拠点40カ所が摘発された。

衛生省は4月21日、長春海外制薬集団、吉林省輝南天宇薬業股分、丹東市通遠薬業、青海省格拉丹東薬業、四川蜀中制薬、通化金馬薬業集団股分、通化盛和薬業股分、通化頤生薬業股分、修正薬業集団股分ーーなどを挙げ、各医療機関に対して当該企業の製造した全てのカプセル剤の購入と使用の即時停止を命じる通達を出した。


日本の厚生労働省もこうした薬用カプセルが日本に輸入されていないかどうか事実関係の調査を始めた。

日本では医薬用ゼラチンは日本薬局方によりその純度が厳しく規定されている。

 

 

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