信越化学の2012年3月期の連結決算は、前期比若干の減収で、損益はほぼ前期と同じであった。
同社の営業損益はこれまで増益を続け、2008年3月期には過去最高の2,871億円となったが、一転減益に転じ、2010年3月期には1,172億円となった。
2011年3月期から再度増益となったが、レベルは最高時の半分強に止まっている。
単位:億円 (配当:円) |
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報告セグメントが変わったため、以前との厳密な比較は難しいが、下記のシンテック及び信越半導体グループの実績が示すように、塩ビと半導体シリコンの損益が以前の水準に戻っていない。
営業損益対比(億円)
2008/3 2010/3 塩ビ系 315 174 シリコーン系 431 268 その他有機・無機 249 169 電子材料 1,621 395 機能材料ほか 260 180 全社 -4 -14 合計 2,871 1,172
2010/3 2011/3 2012/3 増減 塩ビ・化成品 196 197 237 40 シリコーン 249 341 337 -4 機能性化学品 139 129 147 18 半導体シリコン 226 389 343 -46 電子・機能材料 307 361 382 21 その他・全社 55 76 51 -25 合計 1,172 1,492 1,496 4
Shintechと信越半導体グループの状況は下記の通り。
米国の塩ビ子会社 Shintech
2010年後半にPlaquemineの第2期が稼働し、PVC能力は264万トン、VCMも80万トンとなった。
更に、VCM 80万トンの増設を行っている。2011年完成予定となっていたが、状況不明。
立地 PVC VCM カ性ソーダ 現状 計画 現状 計画 現状 計画 Texas州 Freeport 1,450 - - VCMは 隣接のDowから購入 (825) (550) 2007/5発表 DowのVCM代替
(今回計画に変更?)Louisiana州 Convent (500) (500) (275) 反対運動で中止 Addis 590 - - VCMは 隣接のDowから購入 PlaquemineⅠ 600 800 530 2期完成後(2010年後半)の能力 PlaquemineⅡ 800 530 2011年完成予定 Addis (270) - - Bordenから購入、廃棄 合計 2,640 800 800 530 530
PVC増設により売上高(ドル建て)は2008年に比して大きく増大しているが、経常損益は下回ったままである。理由(推定)については 2010/5/3 注目企業の決算-1(信越化学) 参照。
米国各社の損益は下記の通り。
* 過去の損益を一部修正した。
過去に含めたPolyone(GeonとM.A.Hannaが合併)はOxyVinyls持分をOccidental に売却し、PVCレジンから撤退。信越半導体グループ(信越半導体・SEHアメリカ・SEHマレーシア・SEHヨーロッパ・SEH台湾)
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